01. 完璧を求めない
何事にも完璧を求める。その姿勢は素晴らしい。
しかし、完璧というものは追求すればするほど遠のいていくものだ。
少しでもうまくいかなければ途中で投げ出す。
常に0か100かの世界。それでは疲れるだけである。
仮に完璧にできたとする。果たしてそれは本当に完璧と言えるものだろうか。
あなたの求めている完璧は主観的なものに過ぎないかもしれない。ついに完成して完璧にできたと思っても、周りから見ればそうでなかったりもするからだ。案外、ちょっと不十分な方が完璧だったりもする。完璧は意識した瞬間に破滅するものだと思った方がよい。
だから目標にするなら80~90%を目安にしよう。100%はまぐれだ。100%は自分が意図していないところで叶うものである。気づいたら完璧だった、というのが理想である。完璧は自然によって完成する。
試験などでも、100点を取ろうとするからだめなのだ。100点はまぐれ。80点台を目標にする。そして案外、80%を目標に頑張っていると、まぐれに100点をとれたりもする。繰り返すが自分の意図していないところで突然、完璧は達成されているものなのだ。もちろん80~90%を目標にしているからといって手を抜いていい理由にはならない。いつだって全力でやることに変わりはない。
ただ難しい試験などでは、たいたいの最低ラインである60~70%を目標にすべきだろう。
個人的なことで完璧を求めるべきではないが、仕事や職業上、完璧を求められることはある。その場合は何度も確認して完璧に仕上げる必要があるだろう。人の命がかかわるものであればなおさらだ。その場合は、とにかく『確認』の連続だ。ちゃんと完璧にできているか、マニュアルなどと照らし合わせて何度も確認することが大切である。
何か一冊の本をやる場合でも、いきなり全てを理解しようとしてはならない。はじめから完璧にやろうとして、最初の数ページで挫折してしまうということが多々ある。まずは10%の理解でいいからとにかく最後まで終わらせること。理解できないところを無理して理解しようとしないこと。時には、わからないところを飛ばす勇気も必要である。
そしてもう一度読み返す。おそらく、ほとんど忘れているだろう。しかしそれは当然のことだ。恐れることではない。もう一度最初から読み返して、理解度を20%、30%とあげていく。緩やかに理解していくことが重要である。一気に80%を理解しようとする姿勢は避けよう。何度読み返しても理解できないところはどんどん飛ばしていく。無理して理解しようとしない。そういう箇所というのは、それに関連する本をこなしていって、もう一度戻ってきたときに、俄然、理解できるものなのである。
何かを作る場合でも同じことが言えるだろう。雑で良いからまずは最後まで作りあげてみる。たとえそれが見るに堪えないものであっても気にしない。とにかく何があっても最後まで作り上げる。そしてその後に、どんどん修正を加えていって、よりよい状態に近づけていく。
「評価されるためには完璧にしなければいけない」というプレッシャーは捨てて、常に80~90%ほどで満足しよう。その方が気も楽になる。ただ全力の80~90%であることに変わりはない。
それでもまだ完璧に拘わり囚われてしまうのであれば、あなたの中で完璧の定義を変えてあげよう。100%が完璧なのではなく、80~90%を自分の中での完璧と定義してあげよう。そうすれば少しは気楽になれるのではないだろうか。