表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/45

1、プロローグ

スタートから人(母)との別れです。苦手な人はスルーしてください。


 しんしんと冷たい雨が降る。今日はお母様と本当のお別れの日です。

 あの日も雨が降ってました。

―――8日前、お母様は土砂に巻き込まれて行方不明。

「奥様が事故に…」

 その日からお父様は姿を見せてくれなかった。

不安とともに過ごした一週間、お母様は戻っていらっしゃった。私達家族の願いも虚しく、言葉を発することのない、(むくろ)となって。


*****


 降雨の中、葬別式は進みます。

「可哀想に…子どもは?」

「跡取りはいるとは聞いたが、、、まだ2歳だったか、3歳だったか、あと、上に娘が、ほら、あれだ。」

 小さい声で話していても葬別式の静けさでは私の耳に入ってきます。お父様は機械的に別儀式の来客への挨拶とお礼をしています。隣で立つ私は、お母様を見つめます。


 家に戻ってきた時に泥だらけの姿を綺麗に、さらに化粧をしてもらったお母様は、今すぐにでも起きそうな、眠っているだけだと錯覚させる様子です。


 ふっと手を握りたくなってお母様の元へ寄りました。冷たい手に身体がビクッと強張ります。

ーお母様の手はこんな手じゃない!!

 そう、暖かくて、私の頬を温めてくれる、優しい手。今、手を離したらきっともう目覚めてくれない。私はぎゅっとお母様の手を握りしめた。


 動かないお母様の手。冷たい手を温めるように両手で力強く。ああ、もう涙で見えなくなってきます。


「お母様!」

ああ、私はまた母を失うのか…。


 悲しみとともに唐突に理解ししました。これが本当にお母様との別れであることを。この後、お母様とは、本当に会えなくなる。

―――最後になる。


 私はお母様の首元にすり寄るように抱きしめました。涙が溢れてとまりません。


お母様。お母様。どうして。


「お母様…」


 冷たい体を抱きしめていたら、背中が温かいような気がします。お父様が私とお母様を抱きしめていました。


「お母様は幸せだね…。愛しい娘に抱きしめられて逝けるなんて」


 いやだいやだ。

 いかないで。首をふるけど声は嗚咽にしかならない。


「ありがとう、子どもは私に任せて、また会おう」


 いやだいやだ。

 それって前にも言ってた。お父様。前もそれで父と二人で頑張った。辛いこともいっぱいあったよ。二人でも大丈夫だったけれど、やっぱり母がいてほしい。


 いやだいやだ。

 お母様!いかないで。涙ばかりが溢れてまた声にならない。前?私、お母様を前にも亡くしてるの?


 その時、私の中で多くの記憶が溢れてきました。私は母と父の間で抱きしめられながら、混乱の中、まるで眠るように、気絶しました。



ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 別儀式とは何ですか?そんな言葉ありますか?普通に葬儀としない理由はなんですか?
[気になる点] 説明文がおかしい気が・・ >転生のタイミングが母を亡くしたタイミングって。転生してるなら、もっと早く教えてくれたらよかったのに。 こちらの方が自然な気がします >転生に気付くタイミン…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ