ダンテ、英雄学園 合格発表へ
合格発表の日。
その日は、食堂の営業日なため、シュンは入学金の金貨40枚をダンテに渡し、ダンテは学園から少し離れた路地に転移し発表を見に行くのであった。 発表を見にくるの人は、試験を受けにきた時にくらべてかなり少ない。 ジェフの言っていたみたい、筆記試験の時点で合否が決まっているようだ。
結局、ダンテは、受験番号とクラスを確認後、受付で入学金を支払い、入学までに準備する必需品のリストやら、学園内の地図や校則が記載された資料をもらい、その後は路地に向かい誰もいないことを確認し転移で食堂へ戻るのだった。 あとは、訓練場で訓練したり、魔術書を読むなどして過ごすのだった。
その日の夜は、合格祝いを兼ねてダンテの好物であるハンバーグでみんなで祝ったのである。子供は皆シュンのハンバーグが好きらしい。
魔族の成人は15歳である。 まだ14歳ではあるが、この日祝いも兼ねてエールを飲ませるシュン達であった。 魔族の多くは酒豪であり、ダンテも同様であった。
喫煙についてはシュンのようになっては困るという事から無しとなった。
尚、ダンテは次期魔皇帝でもあり、婚約者は存在するも女性慣れする必要があるという事から13歳から魔族的性教育により何人かのセックスフレンドがいる。 シュンの女嫌いもあり、部屋への女の連れ込み禁止だが部屋の中で呼ぶ事は可能であるため、召喚してやる事はやっているのである。
それからは、食堂とカフェの営業をしつつ、カールとダンテは入学準備のため制服や運動着、また実習用の冒険者らしい装備や服、外装を用意するのである。
問題は武器であった。
魔族は、魔大陸で採掘される魔鉱石から魔武器を作るのが主流だ。
が、人間は魔鉱石が手にはいらず、魔石と鉱石作成される魔剣が主流となっている。 これらは全て魔族の奴隷の知識からで鍛冶師によって作成される武器であった。
鍛冶屋にいっても、ダンテにあう武器はなく、あってもダンテがもつには高価すぎて目立つのである。
という事で、シュンが用意する事になった。
討伐用の黒い刀身の双剣と、模擬戦用の木刀を用意して入学祝いとして渡す。
討伐用は見た目普通だがミスリル製で、魔力を流すと切れやすく、また属性魔法も付与できる品物だ。
木刀は、ユグドラシルの枝から出来ており、魔力を流せば硬くなり切れない品物で、両方ともこの世界では手に入れられない物なのだが、見た目は普通なのである。
その他に、解体用のナイフや、暗器も渡す。 ダンテは小柄なため、シュンやリンから暗殺術も学んでいるのである。
また、魔道具の発展により、マジックバックや武器格納用のアクセサリーは一般的になり、これら武器はシュン作成の腕輪にした。 ダンテ本来の魔武器は指輪であったためである。
通学用の肩がけバックとポーチをマジックバックにして、ダンテに渡す。 ダンジョンの魔石回収ポーチは既に渡してある。
シュンが渡した品物は、全て売ったら高価なものばかりで恐縮するダンテであった。
そんな、恐縮しているダンテに、俺はタバコに火をつけて一服してからいう。
「暇で、いろんなの作ってあんだ。 こんな物が欲しいなってのがあれば言えばいくらでも作ってやんから。 鉱石も素材も腐るほどもってんだ。 気にすんな」
「うん。 シュンの趣味だ。 気にする必要はない。 もらっておいたほうがいい」とリンもいい、ようやくダンテは感謝しながら受け取るのだった。
この時点で2,000年ほど生きているシュンとリン、浪費もあまりしないというより、自給自足もあり、色々貯まる一方である。 カールは、魔族年齢1000歳で、丁度魔界の魔族の平均寿命の半分を過ぎたばかりである。 ちなみに、魔大陸の魔族(異世界魔族)の平均寿命は800歳である。
それから、ダンテの入学までの間、カフェ、食堂の営業をしつつ、ダンテの訓練や日曜は適当に魔物討伐をしたりして過ごす。 夜はシュンとリンは、ダンジョン間引きにでたり、ダンテは学園に向けて勉強をするのであった。