ダンテ、英雄学園の入学試験へ 後編
午後の試験が始まる。
ジェフとは試験会場が違うため、各訓練場付近で別れそれぞれの会場に向かうのだった。
ダンテは剣術で、5分ほど打ち合い、合格となる。
次は、魔法実技の試験で、試験内容は中級攻撃魔法を的に当てる事だった。
ダンテは演唱のふりで「≪ファイヤアロー≫」と唱え、火属性の魔術を的に当てると見事的を貫通し合格となる。 周り受験生からは、 演唱破棄とざわめかれたが、ダンテの心の中は自分の演唱に恥ずかしく、また、試験を受けている生徒の演唱に笑いを堪えるのが必死で、周りの反応などを気にする余裕などなかった。
その後、教室の番号が記載された紙を受け取り、番号書いてある筆記テストの教室に向かうと、すでに30名ほどが着席していた。 その30名の中にはジェフの姿はなかった。
筆記テストの科目は「数学」、「魔物学」、「一般教養」、「歴史」、「魔法学」であった。 ダンデは、数学、魔物学については問題なかったが、一般教養、歴史、魔法学については、7割程度しか回答を埋める事ができなかった。。 短期間で学んだのでしょうがないと諦め、試験が終わるのを待つダンテであった。 帰りは二度と馬車にのりたくないため、ダンテは徒歩で帰宅するのある。
◇◇◇
ちょうど、ダンテが食堂に帰宅すると、カフェの閉店時間であった。
リンが、余ったケーキとコーヒーを用意して、シュンも部屋から出てきて4人で食べる。
「試験はどうでした?」
「たぶん、大丈夫だと思う。 ただ、筆記がね。一般教養、歴史、魔法学があって、7割ぐらいしか回答できなかった」
「今、一般教養って科目があんのかよ。 まじ、3度目の学生やんなくてよかったわ。 なぁリン」
「うん、シュンが受けたら試験危なかったな」というリン。 俺の言葉を聞いてリンとカールは苦笑している。
。。本当、今回ダンテが行くっていってくれなければ、マジあぶなかったかもな今回の任務、と俺は心の中でごちっている。
「そういば俺、初めて馬車のったんだけど、あれ最悪だった。 2度と乗りたくない」
「へーそうなんだ。 俺 馬車乗ったことねーや。」という俺の言葉に、リン、カール、ダンテ全員驚いている。 いやそこまで驚く事か?と俺は目線を送っている。
「われも、シュンに会ってから乗った事ないな」
「確かに、馬車は乗心地最悪ですからね。」
「シュンさん、馬車のったことないって、今まで人間社会での移動はどうしてたんで?」
「んな、転移に決まってるだろ。 馬車なんて、女いたら最悪だしよ。 それに、人間が多いのきれーだし。」といい、俺はタバコに火をつけて一服する。 リンとカールは、俺が馬車に乗った事のない理由がわかったようだ。 てか、必要が無い。
「うわー、俺も転移すればよかった。 人間はほとんど使えないっていうから使わなかったのに」とごちるダンテだった。
「誰もみてねぇーとこで使えばいいんじゃねぇ。 あと、学園内ではつかうな。 たぶん結界はってあるからな」
「はい。気を付けます」と頷きながらいうダンテであった。
◇◇◇
一方、英雄学園では、筆記試験の採点も終わりクラス分けの話し合いをしている。 一般公募はD組かE組と決まっているので、各成績と願書をみてわけていく。
「ダンテ・ドラーツィオって、珍しい苗字ですな。 初等学校は行ってないが、仮ギルドカードでD、剣術もかなりいいし、魔法は演唱破棄で中級ですか。 筆記も平均60点でまずまずです。 D組でどうでしょう?」
「そうですね、D組に入れておきますか。 E組はEランクが多いので、微妙です。 その成績であれば十分でしょう。」という教師陣達の会話があった。。