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【白銀の黒帝:5】英雄と魔大陸  作者: 八木恵
2章:迷宮都市へ
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カール情報報告 後編

英雄学園の入学対象は、15歳になる歳で、毎年180名が入学する。 4年間、ほとんどが実技で学科の授業は少ない。 卒業できるのは90名で、毎年最下位クラスは退学となる。 傭兵団予備として所属している者や、各国の推薦で既に120名は決まっており、一般公募から60名のみ合格する。 毎年、入学願書は1000名以上にのぼり、実際に入試試験に参加できるのは約300名ほどで、試験内容は、体力テスト、剣術または体術の実技、魔法の試験で最後に一般知識の筆記となる。 半数が体力テスト段階でで落とされる。


「んで、カール、願書が通る目安は?」

「仮カードで戦闘可能許可があって、可能であればDになってるといいみたいです。」

「なるほどな、ダンテの場合は、一般知識とランク上げってとこか。 魔力量は、今の制御状態で十分だろ。 目立ちすぎんのもな。」と俺がいうと、ダンテは頷く。


カールの説明が続ける。

「英雄学園は全寮制ではなく、一応寮があるみたいですが、傭兵団に所属済みだったりする子供は傭兵団の寮から通うので、通いでも平気です。」

「通いが平気なのは良かったな。 うん? 迷宮都市に拠点じゃなくても、傭兵団の支部があるってことか?」と俺が聞くと、「はい、その通りです。」と答えるカールだった。


ふーん、なるほどな。 俺はタバコの火を消す。

「例の情報は?」

「すみません、今日だけの情報収集では、その件については情報が掴めてません。 ただ、闇の換金所は健在してますよ」

「了解。 例の情報が簡単に掴めるんだったら、俺らがわざわざここに来る必要もねぇーもんな」


尚、英雄学園の願書の締め切りが1ヶ月後で、試験はその2ヶ月後、入学がその1ヶ月後ということだった。 そのため、ダンテは明日から迷宮に潜り、ランク上げをする事になる。 

シュン達は、とりあえず、1ヶ月半後に食堂オープンを目指す事になる。


また、シュンとリンは、暇つぶしのため、夜中のダンジョン間引きも請け負うと魔界のダンジョン課に伝えた所、歓迎された。


ダンテの戦闘能力は、魔法属性が火、水、風、闇、無属性は身体強化で、 剣術と体術も基本ができていた。 そのため、初級ダンジョンや、ギルドにある依頼をシュンとリンと受け、3週間後には仮カードでランクDとなったのである。 また、ダンテは、夜にはカールから人語の読み書きや、一般常識を教わってている。 


入学願書は郵送または近くのギルドに提出だったため、ダンテとカールはギルドへ提出する。 なお、保護者はシュンとし、シュンとリンの年齢は19歳である。 カールは25歳にしてある。


食堂の営業は、水と木曜がカフェで、木の夜が食堂、金曜と土曜の昼と夜が食堂とした。 シュンとリンの今回の任務の中に、ダンテへの鍛錬は含まれていなかったが、ダンテからの要望で模擬戦や魔術をシュン、リン、カールが暇な時教えるという事になり、討伐依頼を一緒に行くという事で、日曜日は営業しない事にした。 


食堂の営業は、あいかわらず利益を求めておらず、道楽である。 今回の任務のために情報収集も一応兼ねていた。


◇◇◇

月日が過ぎ、ダンデの入学願書の結果が届き、無事英雄学園への願書は合格し、合格通知には、学園の案内と受験番号がはいっていた。


迷宮都市に住み始めてから、人語の読み書きとある程度の常識をカールから叩き込まれてから、ダンテは、朝食後の訓練後、学園の試験勉強も兼ね 数学、地理、歴史、魔法学、魔物学、植物学を勉強している。 数学、魔物学、植物学については特に問題ないが、地理、歴史、魔法学特に演唱魔法に関する部分には苦労するのであった。 自頭は悪くないが、いままで学んでいた内容と異なる部分が多く苦労するのである。


こうしてまた月日は流れ、カフェ、食堂も始まる。 500年前と同様、開業当初は低調ではあるが、料理、酒の味と低価格に徐々に客は増えていくのである。


そんな、ある日夕食時、勉強につかれたダンテの食事の進みが悪い。

「ダンテ、たまには気分転換に明日はダンジョンでもどうですか? 日曜ですしね」

「はい、それも嬉しいですが、今日人間が魔族に関する歴史を読んで、全く事実と異なるんで驚いたというか」というダンテの顔色は少し暗い。


俺はタバコに火を付けて一服する。

「あー、あれか? 魔族は残忍で、魔大陸は元は人間が住んでたのを侵略したとか、人間を奴隷にしてるとかってやつか?」

「シュンさん、そうです。 なんか、なんとも言えなくって」

「まぁ、人間は善と悪の存在が欲しくてよ、悪を作りたがるんだ。 今は対象を魔族にしてんだ。 だからあまり、気にすんな。」

俺は、エールを一口のんで、一息いれた。

「ダンテ、俺らは傍観者だ。」というと、「すみません。 そうでした。 」というが、ダンテの表情はまだ暗いままだ。

「難しく考えるな必要なんてねーぞ。 人間って奴はそうなんだって思えばいいさ」と、俺はタバコをふかす。 って俺も一応人間だったな。

「はい! そう思うようにします。」と、気持ちを切り替えたのか笑うダンテだった。 

ダンテの中で俺って種族的に人間になってないのか?って疑問がわいたが聞かない事にした。


次の日、ダンテの気分転換もかねて、シュンとリンと3人で中級ダンジョンへ潜るのであった。

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