ダンテ、英雄学園卒業そして、その後
急遽きまった卒業式の日。
卒業式には勇者・聖女パーティーの姿はなく、勇者、聖女、魔法師、コンラッドは、皇女とともに静養という名の幽閉で聖国に戻り、他も各貴族家で静養となっているとの事だ。
レンは、何かあれば聖国が保証するとともに、追加で補償金を渡されたとの事だ。 その際、帰還出来ない事も聞かされたが、覚悟はしていたので、あまり落ち込まず、逆にこの世界で生きていく覚悟ができたと笑いながら言っていた。 勇者達は、その事実を知った時には更に落ち込み今や戦意も無くしているとの事だ。
卒業式も終わり、「なんか、あっという間だったな。」といいジェフに、皆合意する。
「しかも、ダンテ、すぐ引っ越すとはな。 まぁ、元気でな。」
「ああ、そっちもな」といいダンテとジェフは握手するのだった。
それから、すぐ引っ越すダンテは、校舎までジェフ達6人に見送られ、ダンテは最後に「じゃぁ」といって校門に向かって歩きだした。 ちょど校門を出た路地に行く所で、レンが追いかけていたのだった。
急いで走ってきたのか息を切らしており、息を整えたレンは、
「これで、お別れかも知れないからさ。 ダンテとジェフのおかげで僕はここで生きると決められた。 ありがとう。 旅に出た時は、絶対に会いにいくからね」と最後のほうは涙目になりながら言うであった。
そんなレンに、ダンテは、苦笑しながら「無理だな。 お前だけに教えるよ。 俺の故郷は魔大陸だ。 じゃぁな」と言って転移するのだった。
残されたレンは、呆気になりながらも笑うしかなかった。。。
◇◇◇
ダンテが食堂に戻ると豪華な昼食が用意されていた。
「お祝いだ!」という俺シュンの合図で、エールにワインで乾杯し、宴会が始まるのだった。
「ダンテはいいのですか? このまま魔大陸に戻って。 王都とか他の街をよってもいいのでは?」
「4年、人間みたけど、いろんな奴がいるのはわかった。 個々で接する場合は、魔族と対して変わらないとは思うけど、俺には、団体思想はわからなかった。 やたらと偽善、協調性を求めるのは結局理解できないから、もう十分だ。 それに、もう馬車にのりたくないし、やっぱり魔大陸のほうが楽だ」
「そうですか。 確かに、そにう思想は、魔族にないですからね」と苦笑いするカールだった。
その日の夜には、俺は魔大陸にダンテを連れていった。
それから、俺とリンは、王都の墓へ行き、その後『魔の森』から俺たちはカールと共に魔界へ行くのであった。 。。俺たちの任務はとりあえず完了だ。
◇◇◇
とある時期から王宮にある扉が設置されたのである。
この扉は、国王、フローシア王、ギルドマスター3名のみしか開ける事が許されず、3年に1度のみしか開かない扉だ。 この朝に扉が開くと3人はその中へ入り、夜にってようやく3人は戻ってくるのだった。
ただこの扉が開錠日が近づくと国王は、子供のように待ち遠しいのかそわそわしだすのだった。 そして、帰ってくると、寂しそうである者の、何かを思案している様子だ。 王妃が聞いても、扉の先については誰にも語らず、国王と代替わりの際 口伝のみで伝わるのであった。
そう、扉の先は、魔皇帝の宮殿に通じており3年に1度だけ、交流を密かに取る事になったのである。 ただし、人間側が再度侵略した際は魔皇帝側から扉を閉じる事になっている。
国王、フローシア王、ギルドマスター3人は、魔族の技術、文明に直接触れる事で少しずつだが人間側に導入していくのであった。
◇◇◇
ダンテ達が卒業して、数十年後、レン・タカバヤシの書いた旅行記が王国でベストセラーになる。 異世界人から見た視点で書かれまた内容も分かりやすく万人受けした。 レン・タカバヤシは、最終的には東国に住むようになる。
彼の死後、彼の仕事場から見つかった日記から、魔大陸へ旅行を熱望していた事や、学園の友人が魔族であった事が遺されていたという。 日記は、遺族にて大切に保管され公開される事はなかった。
一方その頃、ダンテは、まだまだ魔族として若輩者のため、魔大陸を巡り、視察やら開拓、ダンジョン攻略、魔物討伐やら忙しい日々を過ごしているのであった。
本編は完結です。
読んでいただき、ありがとうございました。




