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【白銀の黒帝:5】英雄と魔大陸  作者: 八木恵
3章:英雄学園編
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ダンテ、英雄学園のこれから

翌週、ダンテが学園に行くと、もっぱらの話題はギルドの精鋭の話しであった。

尚、勇者達は未だ入院中との事だ。 皇女もまた学園にきていない。


本来撤退してもよいのだが、勇者がどうなるかまだ不明という事で、カールが今撤退すると不自然であるという指摘で、ダンテが学園を卒業するまで滞在することになった。


それからの日々は、ダンテは、放課後シュンとの討伐以外は、1人で中級ダンジョンの虫エリアの攻略を進めていた。 それから1ヶ月でダンテは虫階層をクリアする。


また学園での初級ダンジョン攻略も50階層まで進んだ。 ケルベロスに挑戦し、惨敗するのであった。

4人ともわかっていての挑戦であったので、立ち直りも早く、翌週には、「ケルベロス強すぎ!」と笑いあうのであった。


そんな中、急遽講堂へ全校生徒が集まる事になったのである。

壇上に出てきたのは学園長のラムゼイではなく、ギルであった。

「急遽、集まってもらい申し訳ない。 今日各国で発表になるが、君達に関係がある事なので集まってもらった。 まず、魔大陸への進攻はしない事になった。

 歴史に改竄があり、西の大陸には人間は住んでいなかった。 つまり、人間による魔族への侵略であったことが発覚した。

 尚、秘密裏に国王と魔大陸の関係者と話しあった結果、お互い不干渉と決まった。 正直、魔族側は、人間側の進攻に飽き飽きしていたってのが本音だ。 魔族は特にこちら側への進行も興味ないとの事。 魔大陸への航路も断つことになった。 魔大陸を治めているのは、魔王ではなく魔皇帝との事だ。


これら歴史の改竄は、ここの学園長であるラムゼイ大公と一部貴族によるものと発覚したため、大公他それらに関わったものは現在王国にて監禁取調べ中だ。 商業国家も深く関わったとし、王国の従属国になる。


 ここから君達に関係する。 魔大陸へ進攻しない事が決定したため、本校の存在意義がなくなる。 急な話しで申し訳ないが、本校は今期をもって閉校することになった。 最終学年生については、学園卒業資格を全員に与える事になった。 ほとんどの物が身の振り方を決めていると思うが、最終学年の者については来週以降は学園に通う必要はなく、各自身の振り方を考えてほしい。 尚、寮生はそのまま閉校日まで使用可能だ。

 在校生諸君については、王都の学園または魔道国家の学園へ転校してもらう事になる。 そのため、各自希望など各担任と話して決めてほしい。 いろいろ言いたい事はあると思うが、大変申し訳ない。 詳細等については、担任に確認してほしい。」と深々と頭を下げるギルであった。


突然の発表に、言葉を失う生徒達がほとんどだった。。

◇◇◇

教室に戻ったダンテ達。 みな、先ほどの閉校に関して、様々な意見をいっている。


「驚きすぎて質問もねーよ!」と突然の発表に驚きを隠せないハロイド。

「なぁ、俺らって試験無しで卒業ってことか! だったらラッキーだな」と前向きに喜んでいるジェフに、「そんなわけないよ」とやや冷静なレンだ。


そして、卒業後の進路の話題となる。

「俺とクレアは、卒業したら王都の傭兵団とこだけど、お前らって、学園卒業したらどうすんだ?」

「俺とレンとハロルドは、『雷神の斧』の所属が決まってんだ。 レンは旅に出る資金が貯まるまでだけどな。」

「うん、当面はね。その後は、旅に出るよ。」

「実は、ニーナも『雷神の斧』なんだ。」ともじもじ言い出すハロイド。  すると、ニーナが、ハロルドと腕を組んで「実は私達、付き合ってんの♪」と嬉しいそうな笑顔になり、ハロイドは人前でいちゃつくのが恥ずかしいのか、頬が赤くなっている。


そんな、ハロイドとニーナに、ジト目でジェフとレンが「「へー 良かったね。 知っていたよ。」」と棒読みでいうのだった。


そんな光景を他人ごとのように眺めているダンテに、ピーターが「ダンテ?」と聞くのだった。

「故郷に帰るよ。」

「そういや、そう言ってたな。 で、ダンテ、お前の故郷ってどこにあるんだ?」と聞いてきたのはジェフ。

「名前もない、ここから西南の辺境の地だ」

「はぁー、お前ってどう1ヶ月で帰ってたんだ?」と突っ込むのだった。

「シュンさんが転移魔方陣用意してくれるんだ。 それで近隣まで行ってかえってんだ」

「転移魔法陣って、シュンさんすごいな。 でも、そんなに遠い所だったとはな」


すると、担任のギルが、教室にきて、ダンテ達の会話が終わるのだった。

ギルからは、今後の予定が説明される。

ジェフには嬉しい知らせとなったのは、試験もなく、最終学年は今週で終わりで特に授業もないが、金曜日に卒業式を執り行う事になった。。


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