武道大会後。。。
魔皇帝から預かった書状を渡し、おっさん達が読み終えるまで暇なので、仕方なくエール片手にタバコをふかしている。
ようやく読み終えたおっさん4人。
「わしは、人間が成熟するまで魔皇帝が言うように共存は無理だと考える。 友好関係の前に侵略したんじゃからな。 皇王よ。」
「はい、これが真実だったのだな。 はぁ、商業国家に踊らされてたか。」
とりあえず、理解したみたいだな。 俺は、ダンテの肩を叩き「正体見せてやれ」という。
ダンテがフードを脱ぐと、紺色の髪に2本のツノが生え、切れ長の赤目で陽褐色の肌の魔族がいる。
「初めまして、魔皇帝の息子です。 名前は控えます。」
まさかの魔族の登場に、驚いているオッサン達4だ。
「今日の大会で戦ったのはこいつだ。 そんでもって、こいつもまだ若いから修行中の身だ。」と俺が説明する。 また、フードを被るダンテをオッサン達がみて、我に返った皇王は、ようやく状況がわかったようだ。
「ははは、なんて馬鹿な事したんだろうな。 黒帝の縁者様、取り返しのつかぬ前に気づかせて頂き感謝いたします」と頭を下げるのだった。
俺としては、そんな事はどうでもよい。 魔大陸の魔族と人間達が争っても秩序は乱れない。。 たんなる異種族戦争だ。
「まぁいい、んでオッサン、勇者召喚だが、あれは時空の歪みを引き起こす可能性があんだ。 今回は起きなかったから良かったものを、時空が歪んだらこの世界は消滅すんぞ。 勇者召喚とか言って、偉そうな事いっているが、あれは拉致、誘拐だ。 ちなみに、彼らはもうこの世界の人間として認識されてっから、元の世界へは帰れん。 魔皇帝だって知らないぞ、帰還方法なんて。 ここまで言えばわかってんだろうな?」と俺は、もうこれ以上説明も面倒になったからタバコをふかして一服する。
「ええ、帰国後、関連文書全て破棄します。 彼らの生活と安全等含め、聖国で責任はとります。 1名自由になりたい者もいるようですが、彼の好きなようにさせ、何かあれば助けるようにいたします。」
「んじゃ、こんな所か。 もう、面倒事起こすなよ。 俺 なんか最近こんなんばっかじゃねー。」と俺は最後愚痴りながら、「じゃぁ、帰るわ。」といってその場からダンテと共に転移で消えた。
◇◇◇
シュン達が去った後、
緊張の糸が切れた国王が「傍観者でよかったのう」と、安堵した顔でいう。
「どういう意味だ?」というのは皇王。
「王家と我がフローシア家、そして代々のギルドマスターしか知らない話じゃ。 『黒帝とその縁者は、この世界の傍観者であり調停者でもある。 彼らに絶対に干渉してはならぬし、命令もしてはならぬ。 黒帝は人間の味方でもあり敵にもなる。 黒帝の怒りかうとき己の罪として受けよ。』 まぁ、実際に精霊の時に黒帝が調停者として現れ、精霊抹殺し、贖った人間500万人中、300万人以上を黒帝が率いた11名で惨殺された。その際、事前に精霊の暴走を警告に来れたおかげで被害は少なくすんだんじゃ。 とはいえ、死亡したもののほとんどが聖国の前の皇国じゃよ。 お主、知らなかったのか?」
「ああ、精霊王が魔族と戦い力尽きたとしか知らぬ」と項垂れている皇王。
そんな皇王の姿に呆れ、ため息をつきながら国王が「正しい歴史に戻すんじゃな。 フローシア王よ、そちの学園の歴史の教科書を渡すといい。 ある程度の真実が記載あれてるだろ。 黒帝の縁者の存在は隠されているがな」
「もちろん、そのよう手配する予定じゃ。 なんせ、黒帝様の真実は、我らのみが伝承すべき内容じゃ。 それにかの方は、人間に基本興味がないので、下手に干渉するものを増やすわけにいかないからのう」
「そうですね。 まぁ、あとは、召喚した勇者達が馬鹿な事しでかさんといいですね」と皮肉を込めていうケネスに、皇王はまた青ざめるのであった。
国王もまたこれから起こりえる貴族達とのやり取りに頭を抱えるのであった。。。




