武道大会で。。
武道大会が始まる。
今回も食堂、カフェは屋台を出店している。 ダンテへの勧誘が無くなった時点で商会長が謝罪しにきて、当面無償で品を提供するという事になり商会との付き合いも再開していたのである。
今大会には、王国の国王、商業国家のオールディス大公、ラムゼイ大公、聖国の皇王、魔道国家 ウォーレン、そしてマクレーン大公、5代貴族当主他上流貴族に、ギルドマスターのケネスも来賓として参列している。
その他、有名傭兵団団長、そして各傭兵団団長達も集まっている。
各国の護衛として、騎士団長、魔法師団長もおり、警備は厳重となっていた。
そんな状態の会場を屋台から観察している俺たち4人だ。
「ここ潰せば、この大陸おわりですね。」とクスクス笑っているカールだ。
「だよな。 危機感ってねーのかね。」と俺は苦笑いしながら焼きそばを作る。
「人間って、やっぱわかんねーっす」と言いながら、ダンテは揚げをつまみにエールを飲んでいるのだった。
「ええ、同感です。 私も長く人間と暮らしましたが、結局理解できない事が多いです。 特にわざわざ狙ってくれとばかりの状態を作る事にね。」
「ふーん、俺もそこはわかんねぇーな。 でも、一応人間だが」と俺が冗談交じりにいうと、即リンが「シュンは、元人間だ。」とツッコミをいれてくれる。
「そういや、俺、化け物っていわれんな」とボソっと言っていると、カールもダンテも「同感」といって苦笑していた。
そんな会話もありつつ、屋台は、今回も繁盛するのである。
時より、ガス、ケネス、ウォーレンが来てはエールと焼きそばをべに足を運んできたり、ダンテのクラスメイトであるジェフ達、ピーター達もきてダンテと話しては焼きそば、プリンを買っていくのであった。
今大会はエキシビジョンマッチも組まれている事から前日には学生の決勝、最終日の午前が大人の部の決勝、そして午後にエキシビジョンマッチとなっている。
◇◇◇
大会最終日、午後のエキシビジョンマッチだ。
エキシビジョンマッチが終わり、予定通り、勇者・聖女パーティの優勝となり、会場内は惜しみない勇者コールと拍手喝采が鳴り止まないので状態であった。
来賓からの賞賛する言葉で終わる予定だった。
「素晴らしい試合でした。 せっかくですので、ギルドの精鋭とも戦っていただきたい。 いかがですか? 勇者様方。 それに、観客の皆さまも、もう一試合お付き合いねがえないでしょうか!」
そういったのはギルドマスターのケネスだった。
「そんな話しは聞いてないわ」と本来とは異なる申し出に苦言する皇女は怪訝な表情となっている。
しかし、既に会場の観客を煽っているケネス。
「今度はギルドの精鋭か! やれ!」
「勇者! 勇者!」と、次の試合に興奮状態だ。
もう断れない状況となり、名誉と誇りのため、勇者達も合意するのであった。 彼らとしも負けるはずかないので、余裕の表情を浮かべている。
一方、その頃、シュン達の姿は屋台になく、黒の戦闘服にフード付きコートにフードを被り、武道大会会場の控え室にあった。
そして、勇者達がまつ試合会場に、ギルドの精鋭として現れたのは、性別不明の4人でいずれも黒一色でフードが目元まで覆われているため、容姿が不明である。 だが、身長的に小柄な2人と、中肉中背の身長180CMの人と、195CMはある長身痩躯で、体形からは強そうには思えない4人だった。
そんな彼ら4人を連れてきたのは、『雷神の斧』の団長であり、ギルドマスターの実弟でもあるガスだった。 本来、会場はそんな4人にブーイングかと思いきや、ガスが連れてきた事もあり、会場の観客はみな期待の眼差しを向けていおり、静寂している。
「人数が2人足りないみたいだけど」と発したのは勇者 ユウキだった。
「いや、ここにいる1人と君達6人だ。」と答えたのはガスだった。「俺たちを舐めているのか!」とまさか自分達相手を1人にする事に冗長している勇者のプライドが許さなかった。
「勘違いしては困る。 彼らの要望だ。 そっちに不利な条件ではないだろう。 それに、ルールは簡単だ。 なんでもあり、 最上級魔法もありだ。 精神変換でお互い死なないしな」
「本当にいいんだな。 後悔しても遅いよ。 みんな、俺たちの力を見せつけてやろう」というと、全員が「思い知らせてやるぜ(わよ)」といい、準備にはいる。 そして、ギルドの精鋭は、180CMの中肉中背の1人を残して、3人がガスと共に舞台袖に移動するのだった。 そうこの4人はシュン達で、ダンテが対戦する事になっているのだった。
ここで、会場内にアナウンスが響く。
「どうやら、1対6での戦いだ。 黒装束はどんな戦いとなるか。 なんと、特別ルールでなんでもありだ。 」 会場は興奮はピークに達し盛り上がるのだった。
ダンテが魔武器を出し双剣を握り、試合が開始となる。
まず、エリカ、ヴィンスが最大級の炎の攻撃魔法を放つが、ダンテは風でシールドをし、空歩でエリカとヴィンスの背後に回り双剣で首をはねる。 ついでに聖女ユリを蹴り、首をはね3人は場外へいく。
セドリックに周りこみ同じく首をはねると、勇者 コウキからの最上級の氷魔法が襲ってきて、ダンテも氷魔術で相殺する。
その隙にコンラッドが正眼の構えから光の魔法剣をはなつもダンテは簡単にいなすと、コンラッドに周りこみながら首をはねる。 その際、闇魔術で勇者 コウキを拘束し「降参するか?」というと、「卑怯だぞ! 正々堂々と戦え!」と拘束に対して非難するのだった。
「拘束といてやるよ」といい解放すると、
「俺は勇者だ。 負けるはずがない」といい剣を杖にし立ち上がり「俺の力を受けてみろ」と叫び、正眼の構えから≪グレートシャイニングボルト≫と叫ぶと雷鳴が轟きさせながら向かってくる。
ダンテは双剣に魔力を込め、勇者の剣を受け止め、そして蹴りをかまして首をはねた。
開始から20分での出来事だ。 会場は、静まり帰り、アナウンスもはいらない。
我に返ったのか「よ、よ予想に反して、な、なんとーーーなんとーーーーギルドの黒装束の圧勝だ!」と流れ、会場は一応盛り上がりを見せる。 まさかの勇者の敗北だ。
ダンテはそのままシュン達の所へ戻り控え室へ戻るのだった。
「勇者、弱いな。 力量差もわかんねーとはな。」と俺があきれながらいうと、「ああ、最後笑い堪えるの必死だった」と勇者達の演唱に俺たちは笑いながら、そのままそこから食堂へ転移した。。




