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【白銀の黒帝:5】英雄と魔大陸  作者: 八木恵
3章:英雄学園編
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また来た食堂閉店間際の客

そして後期も始まり、2年に一度の武道大会への選抜予選となる。


ダンテは、3回戦で、セドリック・オールディスとあたり適当に負ける。 ジェフ、ハロルド、レンも良いところまで行くが代表手前で負けるのであった。


結局、代表は勇者ユウキ、聖女ユリ、魔法師エリカ、セドリック・オールディス、ヴィンス・イグニス、コンラッド・アディントンの6名となった。 彼らの強さは学生レベルを遥かに超えており、ギルドランクもSSとなっていた。


◇◇◇

武道大会が開催される数週間前、食堂のドアが”Close”になっているものの、食堂の中では俺とおっさん3人が俺の料理を食べながらエールに、ワインを舌鼓していた。 おっさん3人とは、ガス、ケネスそしてウォーレンである。 


俺はこいつらがこの時間にいるって事は、面倒ごとしかなさそうだなと思いつつ、タバコをふかして一服する。


「んで、何のようだ? どうせ、大会がらみだろ?」

ウォーレンが、困った表情になり、

「ああ、そうじゃ。 聖国がな、資金集めのために勇者の強さをアピールすると言ってな、学生の部の優勝と大人の部の優勝で、エキシビジョンマッチをする事になったのじゃ。 予定調和でいくと、英雄学園対蒼帝の剣だ。 『蒼帝の剣』は、聖国の息がかかってるしのう。」


「このままで行くと勇者が勝ってですね、王国の中立貴族が一気に賛成に向かってしまいます。」と溜息を吐きながらケネスがいうのだった。

俺は話しを聞きながら、本当、人間ってバカだなとって思っている。

「それで、魔大陸にいって大惨敗すんと、どの国も大変になるってわけか」というと、頷くおっさん3人。


「魔大陸へ行ったって、近づけねーんだろ。 何考えてんだか!」と、ガスが苛立ちながらエールを飲みほすのだった。

「だがじゃ、このままでは、世論まで勇者を賛美してじゃななぁーーー。」と、頭を抱えるながら愚痴をいうウォーレン。


おっさん3人の愚痴をなぜ俺は聞いてなきゃいけないんだと、俺のほうが愚痴りたい。

「ようは、勇者が惨敗すりゃ良いんじゃねの」と俺が提案してやった。


「今の時代、今の勇者に適う強者がいないのです。 せめて、0番隊メンバーぐらい強い者がギルドにいれば話しはちがうんのですが」とケネスはワインを飲みほして、俺のほうを見る。

ガスとウォーレンもだ。 おっさん3人に見つめられても、俺はうれしくないしウザいだけだ。。


「俺は、傍観者だぞ。 そんな茶番に付き合うかって! 」

「だよなぁー」

「ええ、わかってますって」とガス、ケネスは諦めている顔をしている。

「シュン殿の立場は理解してるんじゃ。 だがな、ついついここに来てしまったわけじゃ。 すまぬの」と申し訳そうな顔でいうウォーレン。


その話を聞きながら、俺はある計画を思いついた。

「3つ条件がある。 それのむなら、ある奴を出させる。」と俺はニヤリと笑い、俺の計画を3人に伝えた。


「「「なんとかする!!」」」と言って、さっきまでの重々しい空気が変わったのだった。。


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