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【白銀の黒帝:5】英雄と魔大陸  作者: 八木恵
3章:英雄学園編
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ダンテ、屋台の売り子②

大人の部の日。

おっさん3人はそれぞれ屋台に挨拶しにきたもの、陣取ることなく屋台は繁盛しつつも試合中は休憩も程よく取れる状態であった。


大会も最終日。 連日繁盛の屋台も忙しい。

試合が始まったのか、屋台に客が来なくなり、俺たちは遅い昼食を食べながらひと息いれていた。


「カール、競技場の裏の林んとこに魔族がいる。 ちょっと、いってこい」

「分かりました」と言って、数分後カールは町人風の茶髪で茶色い中肉中背の男と一緒にもどってきた。

「シュンさん、こいつチャドって言って、私の昔の部下ですね。 魔大陸にいったんですがね。 」

「何で、ここにいる?」と俺が聞いた。


チャドが曰く、人間が魔大陸へ襲撃の時 昼寝をしていたチャドは気づいたら捕虜になったいた。 とっさに人間に擬態して、この大陸についた時、まだ奴隷の首輪をつけられる前の魔族達が拘束されているにも関わらず抵抗した混乱に乗じて、近くにいた30名ほどの魔族達と共に逃走したらし。 行き場もないため、数ヶ月かけてカールが昔いっていた辺境の孤児院を目指した所、既に廃墟になっていたため、そこで生活を始めた。


人間に擬態できるのはチャドのみで、物資などチャドが購入したり、また、他の魔族の足取りなどを定期的に探し続けてきた。 長い魔族で50年は奴隷となっており、奴隷の首輪で自殺も出来ない。 奴隷の魔族達は少しとはいえ魔力は使える、この大会で多くの魔族が奴隷として連れられてきており、今夜一斉に何年もかけて配った転移魔方陣で迷宮都市郊外の森へ転移して最後の別れをする予定だという。


首輪を解除するが事が出来ないため、人間に殺されるより、同族達に殺してほしいという彼らの願いを叶えるたらしい。 そして、チャドは、様子を探りにたまたまここにきた所、カールに出会ったという事だ。


その話しを聞いて、唇を噛み、拳を握るめ悔しそうにしているダンテの姿がある。



「カール、こいつ馬鹿?」と俺がタバコ吹かしながらいう。

「ええ、結構抜けてます。 ダンジョン課でも失敗ばかりで、怒られてましたから。」

「50年経っても思い出さないとはね。 はぁ、異世界魔族は知らねけど、お前魔界の魔族だったんだろ。 もしもんときゃ、ダンジョンのマスターとこいって、ダンジョン課に連絡すりゃすんだじゃねーか。」というと、チャドが「あーーーーー、その手があったんだった。 」と叫びうなだれるチャド。

「シュンさん、どういう事ですか?」

「魔皇帝も知らねがな、まぁ、口外禁止な。 迷宮都市も魔大陸のダンジョンは、昔っから魔界が管理してんだ。 ダンジョンマスターの場所から魔界のダンジョン課に連絡できんし、魔族はダンジョンの間引きで定期的に夜中行き来してんだ。」と俺はダンテの頭を軽く叩き、口外禁止魔術をかけた。

「まぁいい、んで、魔族達は人間に復讐とか考えないのか?」

「俺らが捕まったのだって、まぁ弱かったからっすしね。 いくら、不意打ちでも。。 それに、魔族からは人間を攻めないって約束ありますからね。 とは言え、限界っすから、皆覚悟決めたんすよ」


「んで、何時にどこだ?」

「今夜0時にここっす。」と言って、地図を出して場所を指すチャド。

「はぁ、ダンテ、どうする?」と俺は面倒だなって思いながら溜息を吐いてきいた

「俺もいきます。」


「準備がいるな。 屋台閉めて、食堂いくぞ」といって、俺の合図で店じまいした。


◇◇◇

そして、深夜0時、続々と魔族達が森へ転移する。

そこには、複数のテントがあり、到着した魔族は、他魔族の案内でとある1つのテントの前で行列を作っている。 出てくるものはいない。  行列で待つ魔族たちは、みな覚悟を決めていた。


テントの中に入ると、そこには黒の戦闘服に、フードを被った男が立っている。

って、俺なんだが。。

「また、女かよ。 カール、ダンテ、拘束しろ」といって、俺は女を動かないようにさせる。


俺は我慢しながら、仕方なく、その女の首輪だけ触れて、奴隷の首輪を解除して外す。

さすがに、これだけは触らないと解除ができない。。 ったく、面倒な首輪を作るってるよなーと心の中でごちる。 次は男がいいんだが。。 もう、さっきから女ばっかりだ。


一方、シュンによって奴隷の首輪が解放された、魔族は、隣のテントへ連れていかれるのだった。

そこには、他の魔族もおり、みんな奴隷の首輪をしてなく、配られたスープを飲んでいるのだった。

何がなんだか解らない魔族たち。

「皆さん、驚かれてるかと思いますが、しばらくここで待機っす。 外とか勝手にでないでくださいね。」とチャドが定期的にアナウンスしている。


こうして、約200名の魔族がテントの中に集まるのだった。


俺たち3人は、魔族が集まっているテントに入る。 女いるし、ちゃっちゃと終わりにしようと思い、タバコに火をつけて一服する。

「結構いんな。 まぁ、依頼だしな。 んじゃぁ、これから魔大陸つれてっくから」といって俺は、総勢200名弱と俺たち3人は転移で魔大陸へ行った。


1人残ったリンは、「われ、地味だ」とごちりながら、テントやらの片付けをするのであった。


◇◇◇

総勢約200名弱の魔族をつれた俺は、魔大陸の宮殿の広間に到着した。

「任務完了だ、帰るぞ」といって、俺はダンテとカールをつれて、食堂に転移した。


シュン達によって魔大陸へつれてこられた魔族達はみながみな状況に追い付いていない。

なんせ、テントにつけば首輪は外され、スープを飲み終わって一息ついたら、突然の浮遊感で、今目の前には魔皇帝がいるからだ。


「魔皇帝様、えっとここは?」と口々に言い始める。

「皆さん、おかえり。 黒帝様に依頼して、魔大陸に連れて帰ってきてもらったんだ。 我らでは、出来ないからな。 高くついたが、まぁ同胞の帰還じゃ。 さて、もう今日は遅い、各自宿舎を用意してある。 今後の事は明日以降担当を用意するからな」という魔皇帝の支持で、従者達によりチャド含め200名弱が宿舎へ案内されるのだった。


チャドから状況を聞いたシュンは、魔皇帝の所へ行き、殺すかどうするか確認しに行ったのだった。 魔皇帝の嘆願により、可能であれば解放して魔大陸へ帰還を希望したため、対価としては貸しとしシュンは依頼を受けたのであった。


その後、殺しなしの任務でストレスが溜まった俺は、リンと上級ダンジョンの間引きで血塗れになり、鬱憤をはらし、その後はリンと濃密なセックスで徹夜するのであった。


翌日、ダンテはシュンらしくない行動に、魔皇帝からの依頼であったこと、鬱憤をはらしにダンジョン間引きしに行ったと聞かされ納得するのであった。

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