カールの情報報告、聖国
食堂へ戻ったシュン達はちょうどカールもいて、コーヒーを飲みながら一服することにした。
「ダンテは、魔大陸でリフレッシュしましたか?」
「まぁ、それなりにかな。 15歳の誕生日で、成人の儀やら、祝賀会やらでほぼ半分はつぶれた。 逃げだして、かろうじてダンジョンに潜れたけど、32階どまり。 魔大陸のダンジョン広いし、魔物は強から。」と頬書きながらいう。
「ダンテ、15歳か。 んじゃ、今夜は飲み明かすか」と俺がいうと、「「「いいね!」」」と賛成する。
カールが少し真面目な顔になる。
「聖国に行って調べてきました。 結論からいうと、数千年も前の東国を作った勇者を召喚した時の古代書が、老朽化で隠してあった場所から見つかり、数十年に渡り秘密裏に解読した結果、勇者召喚の陣を見つけ召喚したみたいです。 かなり、情報が隠蔽されてて苦労しました。」
「はぁー、そっちか。。 なら時空が歪まねーはずだ。 まぁ、いずれにしても傍観だな。 カール、ありがとな。」
「どいういう事ですか?」
うん、その質問になるよな。 リンも知らないみたいで、俺のほうみて首を傾げている。 俺はタバコに火をつけて一服する。
「俺も詳しくはしらねーが、その召喚陣な、神の貫入がなく、ここの魔術師が作りあげたんだ。 んで、成功しちまった。 がな、その当時の勇者が、2度と自分と同じ目に合わせないでくれと、その関連の文書やら研究を破棄させたんだ。 馬鹿なやつが残してたんだな。 んでだ、俺らの視点からいうと、ここの世界の者が作りあげした事は、異物じゃねーんだ。 秩序が乱れれば排除対象だが、まだそうじゃね。 しばらく傍観だ。」
「彼らを帰す方法は?」
「東国の勇者が帰ってねーだろ。 帰れねーんだ。 来た時点で、この世界の者と認識されちまうからな。 というのも、体内に魔器ができて魔力を持った時点で、マナのある世界じゃねーと生きられねーんだ。」
「そういう事ですか。 彼らの元の世界はマナがないのか?」
「あー、今回帰った時にアークに聞いたから確かな情報だ。」と俺がいうと納得したダンテだった。
正しくは違う。 不死鳥であるアークがいた世界だ。 マナは存在しているが、科学の発展とともに人間の身体の構造から魔器が退化したらしい。 一部、気だったり、闘気という感じで気力として扱ったり、霊力とかで扱えるものは存在しているが、魔術・魔法として扱えない。 そのため、彼らが元の世界に戻ろうとした場合、逆に地球側で異物として排除対象になり、かの地に戻る前にはじかれるらしい。だから、帰れないのだが。。 あいつからも聞いた話なので、詳細な説明をこの世の理で生活しているダンテやカールには話せないのである。
◇◇◇
それからしばらく雑談し、ダンテの15歳の誕生日を祝い宴会をしたり、ダンテに遊技場への立ち入りを許可し4人で遊んで飲んで深夜まで飲み明かすのであった。 ダンテも遊技場は気に入り、ビリヤードが特に好み遊ぶのだった。