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君の好きだった花  作者: 橘 天馬
3/6

なし

その後、何度か君とご飯に行ったりした。そして、君とちゃんと付き合ったのは遊園地に行った時だった。ジェットコースターが大嫌いな俺の手を引っ張って無理やり乗せる君は本当に悪魔だと思った。仕返しにと思い、お化け屋敷に連れてったが何食わぬ顔で出口まで来てしまい拍子抜けしたのを覚えてる。そのあとに乗った観覧車では高所恐怖症の俺が終始下を見て終わってしまい、綺麗な夕日も見れずに怖がっていた俺を君は笑いすぎて泣いてたね。観覧車を降りた後に飲み物を飲んでる時に「合コンで会った時から好きです。付き合ってください」って勇気を振り絞って言うと「はい、私でよければお願いします。でも、観覧車に乗った時のてっぺんで言って欲しかったな〜」って悪戯に笑う君。こうして、君と出会ってから2ヶ月後に付き合うことが出来た。

それから、俺は彼女と一緒に色んなとこへ行った。

春には桜や紫蘭を見に行ったり、夏には二人で沖縄の海に行って泳いだりもした。秋には漁港まで行って新鮮な魚を食べたりもした。冬には彼女が温泉に入りたいって言うから箱根まで行った。

中でも印象的だったのは、春に紫蘭を見に行ったこと。調べてもあまり出てこなくて、都内にある植物園で紫蘭が見れることを知り電車で行った。

紫蘭が好きだという彼女に疑問に思ってたことを聞いた。

「ねぇ、紫蘭は他の花と何が違うの?春なら桜とかあるのに」

「花には花言葉があるって知ってる?」

「聞いたことはあるけど、どの花がどんな花言葉があるのかまでは知らないな」

「日本に咲いてる桜のうち8〜9割はソメイヨシノって言われてるの。そんなソメイヨシノの花言葉は『純潔』『優れた美人』なの。でも、紫蘭の花言葉はーーー」

「そうなんだ。誰かが好きだった花なの?」

「うん、おばあちゃんがね大好きで庭に植わってたの。おばあちゃんっ子だったからその影響で大好きになったんだ…」

懐かしむ顔と少し寂しげな表情の君を見た時にこれ以上踏み込むのは良くないと思った。

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