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君を救う死生活  作者: 鈴先壮 ゆっクリ
第一章 絶望に満ちた三日間
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第一章7『魔法使い』

「三大英雄……その昔、世界を滅ぼそうとしたハーフエルフである魔法使いを、殺した英雄達である。3人とも魔法使いに殺されてしまったが、

 エルフの能力

【最後に見たものを殺す】能力により魔法使いは無事討伐……か」


 そこには、三大英雄の事が書かれてある。しかしその魔法使いのことによる事は何一つ書かれていない。

 魔法使いについて分かったことは


「……魔法使いは死んだのか……エリスの事を疑ってたからすごい胸が痛いぜ……」


 にしても、その本には分厚い割には、ほとんどは白紙。


「なんだよ……後はなんにも書かれてないじゃないか」


 三大英雄の死因、それ以外は記載されてない。


「【エルフ】炎で焼き殺された。【ケットシー】魔法使いが召喚した魔物に食われ死ぬ、【サラマンダー】ケットシーを救おうとするも、魔法使いに体内から焼かれ死亡……やっぱり魔法使いについて何も書いてないな……」


 その魔法使いは、どういう人物なのか……そういう大事なことを書かれてない。


「三大英雄を殺しても、世界は滅ぼせなかった……やっとの事で殺せたのに、結果は自分の首を締めただけか」

 悪い奴のはずなのに、何故か同情しちまう。『最後に見た者を殺す』能力か……エルフは一番強かったのか? ……でもこの本によれば、一番簡単に殺されてるのは、エルフだな……逆に一番弱いのか?」


「そんなことは無いわ。ケットシーは元々人を酷く憎み強くなった、サラマンダーは様々な場所を、渡り歩く荒くれ者、そんな2人をまとめるには、その2人より強くなくてはいけない。三大英雄の中で一番強く、正義感の強い人は1人……エルフよ」


 後ろから声がした。メアだ

 メアはいつも知らぬ間に後ろにいる。


「……? でも他の2人より簡単に、殺されてるようだが?」


「そこが狙いだったのでしょうね。

 一番手っ取り早く殺すには自分の能力が最適だったから」


「わざわざ死なないと倒せないのか? 魔法使いは化物かよ」


「化物では無いけれど、その魔法使いは魔法は全て扱え、自分の治癒方法はいつも、魔法で行う再生能力だったそうよ」


「お前なんでそこまで知ってるんだ? 本にすら載ってないことを、しかもそれって三大英雄のエルフがそいつの事を知ってたみたいじゃないか」


「知らなかったら自分から死を選ばないわ。強いと知っていたからわざわざ死んだだけの話よ」


「……エルフと魔法使いは知り合いだったのか? だから普通に戦っても勝ち目がないから、能力を?」


「えぇそうよ」


「それでなんでお前はそれを知ってるんだ?」


「……禁書に記載されていたことだからよ」


「禁書?」


「あなたじゃ読めないものよ」


「……すごい読みたいんだけど」


「読んだら発狂死するけどいいかしら?」


「……遠慮しときます」


「なら早く仕事に戻りなさい」


「はい」


 渋々仕事に戻るしかし、その禁書には絶対にその魔法使いについて書かれてるはずだ。


「だが、発狂死するのか」


 1発で当てなきゃ死んで終わり、当てても死んで終わり。


「結局知ることは出来ないのか」


 メアに聞けばいい話だが、その中に嘘が混じらないと言う保証は無い。

 出来れば自分の目で確認したいが


「結局はどうやっても魔法使いについて知ることは出来ないのか……」


 死んでも生き返れるなら知ることが出来るんだろうな。


「……そう考えてても仕方ない……仕事に戻るか」


『時間さえ巻き戻ればなさえ出来ればな。この時気づいてたらあんな事は起きなかったのにな』


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