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君を救う死生活  作者: 鈴先壮 ゆっクリ
第一章 絶望に満ちた三日間
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第一章2『ノアニール王国』

 痛てぇ


「今頃痛みかよ」


 でもそれは死ぬほど痛くは無かった。例えるならタンスの角に小指をぶつけた痛みだ。


「あれ?」


 生きてる


「ん……? は! どこだここー!」


 俺の知ってる場所ではなかった。


「あれ? こういうのって病院に運ばれて可愛いナースに大丈夫ですかって言われる展開じゃないの……! てかここどこ?」


 見覚えのない場所、俺の住んでた地域じゃないのは確かだ。

 そして、少なくともここは、日本じゃない


「とりあえず話聞いてみるか」


 だけどそう簡単には行かなかった。

 コミ障だった俺は喋りかける事はもちろん相手の顔を見ることすら出来ない。いや顔が見れないは言い過ぎかも知れない。だって


「蛇! 猫! なんか耳が尖ってる人!」


 明らかに普通じゃない


「これって……俺もしかして」


 そうどこかで気づいた


「俺まさか別世界にいる?」


 いや見ればわかる。普通じゃ有り得ないものが歩いてる以上認めるしかない。


「ゲームなら防具とか剣とか」


 あるわけが無い


「……そう言えば! 俺スマホ持ってたんだ!」


 スマホで電話を掛ければ


「あれ? でも俺掛ける人居ない」

 親は事故で亡くなり親戚も頼れる人はいなかった。


「てかスマホどこ? てかなんにもn……」


 何か不思議な感覚に襲われる。


「あれ? そう言えば俺って本当に木葉って名前でいいんだよな?」


 何故か変な違和感。


「木葉って名前誰が付けたんだ?」


 親じゃないのは確かだった。


「じゃあ誰だ?」


 事故で他界したその日に親は言ってた。


「お前の名前は俺達が決めたんじゃない---が決めた」


 子供の俺は聞いた。


「何で僕の名前を決めてくれなかったの?」


 その反応をした俺に親は


「お前が大きくなったら教えてやる」


 結局その日両親は事故で亡くなり結果誰が名前を決めたか分からなくなった。


「俺の親って本当に適当だったな」


 そんなことはどうでもいい。とりあえず誰でもいいから、飯くれないか相談しないと、まじで死ぬ


「でも日本語通じるのか?」


 そんな不安が俺を襲う


「すみません一つ聞いていいですか?」


 俺は馬鹿だった。近くに居た凄くガタイのいい男に聞いてしまった。

 心臓の鼓動が最大まで達していた。


「どうした?」


 ガタイのいい男は不思議そうに問いかける俺のような不審者に


「失礼ですがここはなんという国ですか?」


 以下にも怪しい質問をした。

 多分馬鹿にされるか怪しまれるかだ。


「ん? ここはノアニール王国だ。兄ちゃんそんなことも知らないのか?」


 知ってる……訳が無い。

 そんな国知らないし、ここにいる理由だってわからない

 でも一つわかった。ここは日本語が通じる……あっ


「……あと一ついいですか?」


「おう! なんだ兄ちゃん」


「……ご飯食わせてくれませんか?」


「……はぁ? 兄ちゃん何言ってんだ? ここがどこの国か聞いたら、次は飯かよ」


「……今すごく腹が減っていt」


 限界だ。腹減った喋れない

 視点がすごく低い、腹が減ったせいで倒れたのだろう。


「おい! 兄ちゃん大丈夫か?!」


 ガタイのいいオッサン心配してれんのかよ。悪そうな顔してんのに


「おい! 兄ちゃん起きろ! 大丈夫か!?」


 オッサンの声が遠のく

 ありがとオッサンそこまで心配してくれるなんてな

 こんな人間に……

 ヤベェもう意識が……3日食わず寝ずでゲームしてたのが裏目に出たか……


「でもやっぱり聞こえないな今回も」

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