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エプロンドレス
あげるわ、と
微笑んでくれた。
赤の他人になり果てた私に。
どうして?
レースがついたエプロンドレス。
箪笥の匂いが少し染みてて、
懐かしいな、と撫でた。
押し入れの中に隠れていたの?
ずっと着られてなかったのね。
仲間だね、と笑った。
私も、エプロンドレスも、
あの時の佃煮も、
キルティングのお手提げも、
蒸発しちゃったんだって。
知らない人に囲まれたら、
不安になっちゃうだろうし、
私たちはもう、
近付かない方がいいと思うの。
そうしてカギかける間際だった。
一瞬だけ、
トリップしていた。
丈も丁度良いでしょう、って。
そうね、
だいぶ背が伸びたから。
私は貴女の最初の孫なの。
覚えてる?
おばあちゃんへ。




