85/100
アップルパイを召し上がれ
半分溶けたような実
溢れ出てくる果汁
サクサクとクシュリが混ざった
ああ なんて
甘く広がって愛おしいの
時折バターとシナモンが
かすかに歯の裏をくすぐる
あんなに素朴な赤い果実が
これほど上品に化けるのは
御伽噺の魔女にだって
想像できなかったでしょうに
移り変わる食感に
秘密にしてる気持ちを合わせて
呑みこんじゃうことにする
あの仕草の意味とか
言いかけてた言葉の続き
何度か目が合った理由も全て
まだ聞いちゃいけない気がするから
蜜のような果汁と
なめらかなカスタードに
包み隠してもう一度 奥底へ
高鳴る気持ちをしまいたい日は
アップルパイを召し上がれ
(機が)熟すまで待ってる




