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プールサイド
炎天下の星を知っている
水平線のように真直ぐに
指先まで伸ばされたその姿
光る小麦に佇む案山子と似ながら
空色の大地に吸い込まれていく君
流れ星に似ながら
飛沫をあげない君
浮き上がって来る笑顔へ
差し伸べる右手
掬い上げて抱きしめる僕
「Tシャツ濡れちゃうよ」
髪から滴る水の香り
お気に入りの水玉タオル柄
僕の足も宙に浮く
息が続かない水の中は
真昼の宇宙だ
たった一つ見える星は
いつも笑っている
手を握ってくれる
体を包む冷たさに混ざる熱
「怖くないよ」
好きだと思った
「みてるだけじゃもったいないよ」




