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アサガオ
お名前入りの鉢植えの前
一生懸命に絵を描いている
あなたの汗が地面に滴る
帽子がいるんじゃないの
喉は渇かないかしら
プールに行く時間よ
私のどんな言葉も
今のあなたの世界の外側
ずるいわ
いつもはあれほど傍にいるのに
必要な遮断を与えるアサガオ
妙な形にくるくる伸びて
ふわっと咲いてすぐしぼむ
そこから生まれる新しい種も
面白そうな形をして
ねえ こうして
私以上にあなたの世界を占めるものが
いつかきっと現れるのかしら
夢を追うのか
人を追うのか
まだ見ぬ世界を追うのか
今はまだその切れ端すら
見つけていないのだろうけど
願わくばそれがアサガオのように
あなたの名前になると良い
おかあさんと、おとこのこ




