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波打つのは、心覚え
私の海馬は砂じゃない
それは確かなのに何故
大事な記録を忘れるの
私の海馬は鉄じゃない
それが確かならば何故
消去に警告を発するの
叶わないなら忘れたい
戻れないなら失いたい
還らないなら捨てたい
そう思うのは罪ですか
この痛みこそ罰ですか
どう願うのが正しくて
どう悼むのが誠ですか
私の身体は砂じゃない
それでも崩れゆく両足
私の身体は鉄じゃない
それでも固まった表情
少しでも混ざってたら
貴方についていけたの
1人にせずに済んだの
さざ波がさらってゆく
記憶が砂であるように
さざ波の奥へ沈みゆく
記憶が鉄であるように
年に一度ぶり返すの、なくしたい




