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遣らずの雨

ほんの少し足を休めようと

一杯だけで去るつもりで

カウンターの隅を陣取った


ふと目に留まる

頬杖ついてスマホの電源を切る仕草

彼女はいつか見た人で

何気なく声をかける


深夜のコーヒーに

彼女はミルクだけ落とし

声をかけた理由を問う


コーヒーのお供が欲しかったと

適当にはぐらかした


「じゃあもう会えないのね」

哀しみ(たた)えて微笑む君はきっと

その表情の魅力を知っているのだ


夜風は涼しく蒸し暑い

潤む瞳から滴が落ちれば

僕の心も同じく

(まだ帰らないで)

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