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包括
ここからでは煙突しか見えないような
遥か遥か遠くにある工場
何を作っているのか分からないそこから
もくもくと大きな煙があがってる
曇り半分の淡い水色をした空に
絵の具が滲むようだ
白が溶け込んでく
地球の水分が描くルーティーンと関係なく
ヒトが作った工場から
あがった煙は雲に溶け込んでく
アレが降る頃にはきっと
煙だったことも忘れてしまってるのでしょう
私が涙を一筋垂らしたところで
この世界にはもっと恐ろしいことがあって
苦しむ誰かがいて
忘れられてしまった場所があって
そんな悲鳴の渦に溶け込んでく
私が詞をこぼしたところで
ソレが届く頃にはきっと
感情が込められていたことも忘れてしまってるのでしょう
だから、ねぇ、早く