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グロス・クエスチョン
深緑のマフラーに
雪の粒が乗る
風の中で思うのは
マルボロを含む吐息
私のリップグロスを
君は嫌って
「光らせなくていい」と
強引に奪った
その瞬間がたまらなく好きだった
嫌ってると知っててグロスを塗って
「このくらいのオシャレは許してよ」と
君を困らせた
私がいけなかったんだよね
困らせてたんじゃなく
怒らせちゃってたんだよね
新しい唇に奪われるというのに
この胸の中
まだマルボロが消えない
新しい香りに慣れようと意気込むほど
古い香りを探してしまってる
「綺麗なグロスだね」と褒められるたび
後ろめたくなるのは何故なの
咎められてる気分。