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Please forget me.

君が教科書を忘れたあの日

くっついた机と机の端っこ

もう席替えをしてしまって

あの時引きずった音や

その距離や跡なんかも

箒に掃かれちゃったよね


いつも通りの体育の授業

たまたま転がっていったボール

靴に当たった時の重みや

どんな速さでパスをしたのか

その時の短い会話なんかも

グラウンドの砂にかき消されちゃったよね


クラス単位の文化祭準備

近くで作業できたこと

「次ボンド貸して」って私が頼んだこと

「俺ついでにそっちもやろっか?」って君が答えたこと

少しだけ触れた指とか

ぶつかった視線とか

小さな「ありがとう」とか

後夜祭の花火の音に紛れちゃったよね



いいの 君には要らないと思う

私が覚えていたいだけだから いいの



教科書を見た君が

「ちゃんと書き込みしてて真面目だなー」って笑ったこと


君からパスされたボールを

受け取った時の手のひらの振動とか


「貸して」って頼むために

どれだけ緊張して

何回深呼吸したかも


私の 私だけの想い出

永遠に 私だけにとどめておくから


どうかお願い

記録媒体の容量がなくなっちゃう前に

手を放して


忘れてください

胸いっぱいでつらい

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