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タンス貯金

作者: 尚文産商堂

秘密は誰だって持っているものだ。

俺の秘密というのは、昔競馬で儲けた金をタンスの奥深くに眠らせているということだ。

二重タンスを改造して、その奥に入れてある。

おおよそ数千万円。

すこしずつ使っては、消費しているものの、まだまだ有り余っている。

実際、銀行に預けている資産は数千万に上るが、マルサでも来ない限り、ばれることはないだろう。

この隠し財産は、子子孫孫伝えていく予定だ。

もっとも、その前にパーっと使いきってしまおうかとも考えている。

結婚を考えている相手はいるものの、実際に結婚して、子供を産んでもらえるかは分からないからだ。

その時がきたら、きっとはっきりするだろう。

このタンス貯金の行方も。

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