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白昼夢<自己、小鳥、嫉妬、二重人格>

幼い頃、童話について興味を持ち始めた僕は、 大人に なるにつれて童話作家になりたい。 ハンス・クリスチャ ン・アンデルセンのように僕も、人生に挫折しながらも、 自伝を書き綴りまくるような男になりたいと。エゴイズム 的な考えを持っている僕には当初、周囲の批判や、意見な どどうでも良く、聞き入れることなどせずに、自分は想像 力だけは優れているし、自身は誰よりも思想を完璧に作品 にすることだってできると、何を僕は、勘違いしたのか、 自作の童話を周囲に自信満々に発表していた。 僕は、基本的に自己中心的で、我が儘であり、独裁的に つまらない作品を周囲へ押し付けて、見ていて眠くなり、 股間が勃起もできなくなるような使用不可能で不必要な洗 脳プログラムを周囲へ押し付けていたと自己満足に納得し てしまっている結果、エゴイストに分類されてしまうのだ 。


当初、自己欲求の塊など気にせず、童話のような詩を書 いていたはずの僕は、18歳の頃、童話をやはり周囲の目を 気にせずに発表していたが、周囲からの批評が凄まじく僕 に降りかかってきた。しかし、自己の塊でしかなかった僕 は、 ハンス・クリスチャン・アンデルセンのように自伝 を書きまくった。 「18歳になりはじめての僕の失恋」、 「18歳まで歴史 (上)」、「18歳で初めてのセックス 」、18歳になった僕は、僕自身を自分で愛し、そんな自分 に酔いしれていただけなのだろう。そんな僕は、ハンス・ クリスチャン・アンデルセンが好きだったわけでもないく 、グリム兄弟が好きだったわけでもなく、何度も繰り返し て言うが、僕自身が僕を好きだった。明確には、それだけ だ。


自分を謙遜しながら自分を愛している人間が多いと私は この歪な身体になってから余計に理解してきているように も思える。特に女性。彼女たちにとってお洒落や、美容自 服装など外見に気を使って、いて尚、知識など身につけて いる女性は大抵、自分を謙遜し、批判し、隣の席の人間と 比べて「私の方ができるわ。」、「私の方がこの子より、 美人よ」だとか。 女性は特に、自分を結局は、愛してい るのだと私は考えてしまう。それは定かではないが。単純 に解説するならば、女性は嫉妬しやすい生き物だ。人と比 べないと、自分表現をできないのかもしれない。何時も失 恋自伝に「カルメンのような女性が居るとしたのならば、僕は是 非とも鳥になりたい。ハバネラを口笛で奏でながらカルメ ンのように妖艶で美しい女性の方へ飛んで行くだろう。そして、 恋をして、嫉妬の渦に巻き込まれて、地に堕落しても尚、 愛し続けるのだ。」と書き綴ったものだった。 私が想像するとカルメンのように本質的に美しく、妖艶な 女性がこの世界に存在していたとすれば、私みたいなエゴ イストは本当の意味で地に堕落する何万羽、何兆羽の一部 の鳥みたいな存在でしかないのだろう。


18歳半ば、自己主張、自己愛が強く、青春期であり性欲も 凄まじかった僕は、周囲から無視をされてしまったが、僕 は気にもとめなかった。表現する自由は誰にも奪われる権 利がないからと。僕は、高校生であるので、進路表に「童 話作家」を希望と書いた。エゴイストの僕は、「それを目 的に童話について勉強してきたのだ。そう、僕が物語りや 詩を書き世に僕の作品を出していこう。これで、やっと少 しでも表現者に近づけるぞ。もっと文体や、表現を磨いて いこう。誰に理解されなくても良い!僕のマスターベーシ ョンのように、青春期を表現した童話と詩を創造するぞ!」と今となって は私自身も、呆れるくらい、大声を教室内で張り上げ、訳の分からないエゴイズ ムっぷりを発揮して、周囲は、気持 ち悪がり、面白がって笑ったり。それと同時に教師に「机 に座りなさい」と怒鳴られて、渋々席に着席したものだ。


しかし、現実は、甘くはなかった。 ハンス・クリスチ ャン・アンデルセンがオペラを挫折した通り、僕も童話作 家としての夢を挫折してしまったのだ。 サディスティックな性格の僕の親から、猛反対を受けて 、教師も安定した職業を探してきてくれた。好きなことを 仕事にできないことを理解した僕は童話作家への夢も諦め て、世間一般では普通のサラリーマン。事務的な作業を黙 々とこなす位の能力を身に付けて、春、高校を卒業した。 何もかも普通の日常へ溶け込んでしまったようで。 「はぁ…僕は普通か。これこら毎日、同じコトを繰り返し て生きていくのか。」だとか、「面白いことねぇかな。」 が何時の間にか口癖になっていた。 「はぁ…。」溜息は、一日に何回しているだろう? 頭の外 側しから、聞こえてくるようだった。そんな日々が何事も なく進み、僕は、昼休み休憩中に、何時の間にか、空を見 上げてしまっている。


何時も灰色の小さな小鳥が水色のように澄んだ空を迂回し ているのがみえる。

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