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東宮さん宅の日々  作者: もらし たみお
桜の花よおいでませ、いってらっしゃい鴉君編
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流輝の日常~3~

えっと、この話ではキャラ紹介に出ていた零夢が初めて出て来る。そして後半になるにつれ酔っ払いやよく分からん内容になってくるため注意して欲しい。誤字脱字、分からない等あったら遠慮なくメッセージやコメントで書き込んでくれ但し誹謗中傷といった他人を貶すようなのは止めてくれ。俺からは以上だ、まあ暇つぶしに楽しめるか分からないが楽しんでいってくれ。

家に帰ると玄関に狼亜が居て


「お帰りなさいませ皆様方、御食事の御用意は出来ておりますよ。」


と腰を折って礼をされた。


「ただいま狼ちゃん。」


「はい、お帰りなさいませHer Majesty(私の主様)。さて、後で御話が御座いますゆえに明日の朝7:00に私目の部屋に来てくださいね。空牙の坊ちゃんもですよ。」


ニコリ、と一礼から顔を上げると返事をしない聖奈と空牙に業を煮やしたのか薄く眼を開けただけで一瞥すると聖奈も空牙も首をコクコクと縦に振った。それを確認して、大仰に頷くと狼亜は先に部屋の中に入っていった。聖奈と空牙を見ると蛇に睨まれた蛙のようになっていた。


リビングに入ると食事の用意が出来ており、皿に乗ったコロッケと冷蔵庫にしまっていたサラダに米(俺と狼亜は暖かいやつで聖奈と空牙は冷たいの)、それに作っていなかった味噌汁まであった。


「わりぃな狼亜。」


「いえいえ、流輝の御先達が離れておりますし、只々私の出来うる事に尽力を尽くさせて頂いただけで御座います故にどうぞご心配などなされませんように御願い致します。」


その言葉を聞いたとたんに聖奈が嫌そうな顔をしていたが夕飯を見ると


「わぁ、美味しそう。」


きゃっきゃと家に帰った聖奈はテーブルの上に並べてある夕飯を見てはしゃいでいる。


「聖奈先に手を洗え、空牙もだぞ。」


「は~い。」


「お前に言われなくても分かってる。」


そう言いながら3人で手を洗う為に洗面所へと向かった。




夕飯を食べ終わり洗い物を一人で虚しく行っていると玄関が開く音が聞こえ振り返ると疲れた表情の零夢が家の中に入ってきた。


「ただいま帰ったわ。」


「お疲れさん。」


ドサッとテレビの前に置いてある三人掛けのソファにブランド物の手提げカバンを置き


「はぁ、もうお腹空いちゃったわよ。」


「コロッケ食うか?」


「えぇ、後いつもの出してくれる。それと晩酌に付き合いなさい。」


手を洗わずにテーブルに備え付けてある椅子に腰を下ろしグッタリとうつ伏せになった。


「行儀が悪いぞ。聖奈が真似したらどうすんだよ。」


カチャカチャと手を動かしながらそう言うと


「べっつにいいじゃない。それにあの子はもう…。」


最後の方が聞こえず聞き返すために後ろを振り返ると零夢が立ち上がり洗面所へと無言で向かっていった。その姿に苛立っていることをを感じ、飲んだら絶対に絡まれると知っていながら(出さないと烈火のごとくヒステリーに起こられる)、冷蔵庫の中から炭酸水の入ったペットボトルと俺用の日本酒と零夢用のブランデーとリモンチェロを台所にある地下倉庫から取り出すとテーブルに置き、食事の準備をする。


「頂きます。」


「召し上がれ。」


対面に座り(無理やり座らされた)ショットグラスにブランデーを三分の二程注ぎ零夢に渡すと一気飲みされグラスをつき返される。苦笑いを浮かべ同じ量を注ぎ直し手渡すとガンッとグラスをテーブルに打ち付けた。


「どうしてよ、なんでなのよ。」


そう言うとボロボロと涙を零しながら自棄食いを始た、いつもの事だ内容を要約すると


人間の男に振られた


簡単に言うとただそれだけで事足りる。


ちなみに此処にいない3人は以前零夢にこっぴどく絡まれた為夜のこの時間は絶対に降りてこない。必ず俺だけが巻き込まれるという構図になっているのは羨ましいと思うか?


グスグスと泣きながら酒を一気にあおり口にコロッケを詰め込む。旗から見ればシュールな映像(美人なので余計に)を見せられながら手酌でチビチビと日本酒を飲みながら焼いた油揚げをつまんでいる。


泣くのが一段落したところを見計らい声を掛ける。


「大変だったな。」


それだけ言うと頭を撫でる。そう、耳で愚痴を延々と聞き、片方の手で泣いて酔いつぶれるまで頭を撫で続けもう片方の手で酒を飲みつまみを食う。それがこいつの対処法だ、下手に言葉を交わしたり聞こうとすると


『そうなのよ、まったくあの男ときたら何が"僕には好きな人が出来たんだ"、"君の期待にはこたえられない"よ。まったく、それに相手の女なんかこっちを見たとたん勝ち誇った顔をしてっ…。もう、ふざけないでよ。』


そう言いながら俺を殴ってきたりする、最悪は感情が荒ぶり過ぎて部屋の気温が-(マイナス)になったときはどうしたものかと。俺はお前の元カレじゃねぇと何度言っても聞かないし、最終的には寝落ちをして部屋まで運び布団にもぐりこませる(勿論既成事実なんていうものは一切無いと断言しておくぞ)次の日に起きたらケロッとしてまた新しい恋を探すために日々を過ごしている。


出した食事をあらかた食べ終わり、ブランデーも底をつき、その事に気づいた零夢はふらりと立ち上がると空のグラスを持ってきた。俺はそれに氷と炭酸水、リモンチェロを注ぎいれてステアして手渡す。それをまた一気に飲み干す。その順繰り返しが何回続いただろうか。


「ごめんなさいね、貴方にばかり愚痴を言ってしまって。」


「別にかまわねぇよ、お前が悲しんでると聖奈も心配するし狼亜もうぜぇ位に落ち込むしな。」


「ふふっ、そうね。貴方が人間の男なら惚れていたかも知れないわね。」


アルコールの性で赤くなった顔でこちらを見ていった。


「~~♪~~~♪」


歌が聞こえてきたと思ったら零夢が知らない言葉で歌っていた。なんか知らないが寒いと同時に眠くなる。…、眠ったらいけない、眠ったら片付けられないし椅子で寝たら体が痛くなる。その思いとは裏腹に瞼がどんどん重くなっていき意識を失った。


「さぁてと、私に言われた事はやったわよ。後はよろしくね狼亜。」


最後にその声だけが耳に残った。






…………夢を見た、懐かしい夢をあの日に帰れるのなら俺は何だって投げ捨てたってもいいのに。


………帰りたかったのは都合の良いあの時に大事な子がいるんだ、いたんだあの日に返してくれ。


……俺は化け物だがこいつは違うんだやめろ逃げてくれどこか遠いところへ


…死なないでくれ頼むから誰か救ってやってくれ


聖奈、お前は何で死んだんだ?あの紅いものは何だ?オレハナンニモワカラナイ











……アァァァァァァァァァアァァアァアァァアァァアァァァァァァァァアァァァァアァァァ


ソウダ、アノヒオレノダイジナ“ケイヤクシャ”デイトシイアノコハコノヨカラソンザイヲウバワレタンダ


ダレニ?ソウダ・・・―――ニ


アノヨクブカイクサッタソンザイニ。


コロシテヤル。コロシテヤル。コロシテヤル。コロシテヤル。






・・・なら今存在している聖奈はなんだ。



夢ですよ、ただの夢。ここはただの夢の中。貴方の思いも全て夢。起こった事は全てが虚像。目が覚めれば何も残りません。



憎しみと絶望が混ざり合った感情から少しだけ浮上した意識の中で、夢の内容とその声だけが反芻していく。


そして夢の内容だけが薄れて消えていく、そして目が覚めたらこの夢も消えてしまうのだろう。それだけが名残惜しかった。もう霞んで殆ど覚えていない嫌なだけど懐かしい夢を。

これにて流輝編お仕舞いです。疑問しか残らない話となりましたが最後の夢の所は今までの生きてきた時や元凶がフラッシュバックしていると思っていてくだされば幸いです。追々他の話で出せればと思っております。次は空牙編です、ピンクの妄想がお嫌いな方はお逃げ下さい。

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