第八章 唖児女
グダグダです、許してください...
「こ、ここはどこだ??」
「亜空間♪」
幼女がそう答える。神様と自称しているが、見た目が見た目なのでまったく説得力が無い。これがひげを長く伸ばした爺さんや、綺麗な女の人ならまだいいが、ただのかわいい幼女だ。厨ニVirusに侵されているだけかもしれない。そう、作者のように。
『厨ニだけじゃないぞ?変態Virusにもとっくの当に侵されまくっているぞ?』
OldPlainが脳内念話してきやがった。
「うるせー作者!!どういうことか説明しろ!!」
なぜかこいつの声を聞くといらいらする。やはり作者だからであろう。
『いやいや、それはそこにいらっしゃる世界神ユイ様が話してくれるよ。』
「えっ?世界神ユイ様?誰??」
認めたくない。こんな幼女が神なんて...ありえないはずだ、ありえない...
「ん?呼んだかのぉ??」
反応しやがった...
「ぉ?お主、誰かと念話しておるな?誰じゃ?」
「えぇと、変態と厨ニの神?」
「おぉ!OldPlainか!久しぶりじゃのぉ!!元気か?」
『こ、これはユイ様!!もちろんでございます、ハイ!ユイ様も、いつまで経ってもお美しゅうございます。』
「これこれ、お世辞はいらんよ♪...お?OldPlain,そなたに祈りを捧げている者がいるぞ?見に行ってやれ?」
『あ、ホントですね。では、またお会いしましょう!!じゃな、ショウ!!』
脳内会話、終了。
「祈りって...いったいどんな...」
「みたいかの?」
「見たい。」
「そうか。では、わらわの手を握りながら目を瞑れ。過去の出来事を見せてやろう。」
そういって小さな手を差し出してくるユイ。とりあえず握ってやろう。
「......」
Vision Start
ここは、ライトガルド聖国城下町。今現在ショウがいる城の下にある街。ここでは、多くの人々がのびのびのんびりすごしている。しかし、ここはショウが落ちてくる十数年前である。
そしてここに、一人の画家がいた。彼は特に才能があるわけではなく、少々金に困っていた。
「あぁ、神様、私に、私になにか、なにか画期的なアイデアを...どうか...!」
彼は天に祈りを捧げていた。そして、OldPlainはそれを聞いていた。
『画期的なアイデアねぇ...お、そうだ、オリジナルじゃないけど、あれにしよう』
そういって、彼はそのイメージを画家の頭に送り込んだ。
「んっ!?なっ、なんだ...あ、頭がッ!!ああぁ!!!!」
彼の脳に、雷が落ちたような痛みが突き抜ける。画家は頭を抱え呻きだした。
しかし、しばらくすると、頭痛も治まり始めた。
「ハァ、ハァ、ハァ...なんだったんだ、いったい...ん?」
すると、彼の頭の中に、一枚の絵が浮かび上がってきた。
その絵には、複数の少女達が、それぞれ楽器を持ち、歌っている図である。そう、けい〇んである。この時代、絵というものは全て写実的、つまり本物に似せて描くものが主流だ。なのでこの世界にアニメや、マンガは存在しない。なのでこの画家はけ〇おんを知らない。
「なんだろう、この楽器は....しかも、この少女達、なにか、普通の絵よりもかなり魅力的だ...なんかこう、燃える、というか、なんと言うか...ハァ、ハァ...」
もちろん、まだこの世界に『萌え』という言葉は存在しない。そう、『まだ』...なのだ。
「っ!!!!!そ、そうか!!そういうことだったのか!!!」
なにかひらめいたのか、近くにあった紙と鉛筆を取り出して、一心不乱に何かを描きだした。
「ハァ、ハァ、ハァ...で、出来たぞッ!!」
その絵には、やはり楽器を持った少女達の姿が。しかし、イメージと違うのは、楽器がこの世界に存在しているものに変わっており、服装も少し変わった程度。しかし、この画家はこの絵に大いなる期待を寄せていた。
「これはきっと、神様からの贈り物だ...!早速展覧会に出すぞ!!!」
そういって、彼は家を飛び出した...
数日後、その絵は展覧会にて多大なる評価を得、画界の新たな光と評価され、全世界に広まった。いままでとはまったく違う画法により描かれた少女達は、たちまち人々を虜にしていった。彼は、瞳を少々大きめに描くこの画法を、唖児女と呼んだ。そしてそれは、画界に大いなる影響を与え、唖児女を真似て違う絵を描くものたちが急増し、人々の癒しとなった。あの画家は唖児女の父、神と呼ばれるようになった。
因みに、あの絵を評価した人のコメントはこうだ。
「なんだ、これは....この少女達を見ていると、まるで体が燃えてしまいそうになる...」
このコメントにより、『燃える』⇒『萌える』という言葉が生まれた...
Vision, End
「.............」
「ほい、終わりじゃよ?」
心の底で思ったことがある。
神様、GJ...
すんません、また進みませんでした...でも次回は必ず進めて見せます、見捨てないでください...