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第一話 異世界での目覚め

第4話からは、現実と異世界でそれぞれ物語が進んでいきます。(予定)


現実好きなかたは、現実編を

異世界好きな方は、異世界編を

欲張りな貴方は、両方読むんだお(^^)

インストラクターの資格取得をするため、学校が終わったあと、ジムでバイトをしている私。


90分間のハードなトレーニングでクタクタになった身体を癒すため、少しだけ休憩しよう。

(そだ、控室にある酸素カプセルで回復するのだ)


『ガチャ』

酸素カプセル内に横たわると、身体が酸素で満たされていく。。。


(少し眠くなってきちゃったな・・・)


「ふぁーぁー」

「すぅーすぅー」


『ぐぉぉx-、ぐがぁぁー』



---------------


「ガンッ!」

(痛ぁーい・・・)

 酸素カプセルの天井で頭をぶつけて目覚めた私。


扉を開けてカプセルの外に出ると、いつもと違った世界が広がっている。

(え?なに??)

周りを見渡しても、見慣れた酸素カプセル以外は初めて見る空間。

(もしかして、まだ夢の中なのかなぁ?)


ランプの中で黄色く燃え上がる蝋燭(ろうそく)の炎が室内を照らしている。

壁には、中世のように剣や盾が掛けられている。


(なにこれぇ?夢?ここはどこ?)


困惑していると、部屋の奥にあるいかにも重そうな鉄の扉が開いた。

『ガシャン』


薄暗い方向から歩いてきたのは、2メートルを超えるような大男。

どんどんと私の方向に近づいてくる。

蝋燭(ろうそく)の灯りで照らされたその男の姿がハッキリとしていく・・・


その姿は、全身がビッシリと毛に覆われた、まるで狼男のようだ。

毛むくじゃらの顔にある大きな瞳で私を睨みつけてくる。


(そんなに見ないでよ・・怖いよぉ・・・)


「キャーァァ」

ジムウェアも下着も何も身に着けていない自分の姿に気づいた私は、思わず悲鳴をあげると同時に両手で大事な箇所を隠した。


「ヴィーゴリァグフティアゾ!」(誰だお前は?)

「ガジャデォソリアンダ」(なぜここに居るんだ)


(何言ってるの?)

(もしかして、言葉が通じないの?)


すると、その大男の両腕が私の両手首を掴み、宙に釣り上げた。

「いやだ、は、離してよぉー」

必死に逃げようと、両足をバタバタさせても、宙を舞っているだけだ。


普通なら絶対に大泣きしている私だが、現実と全く違う異世界に気が動転しているのか、涙も出ない。

しかも、両手首で吊り上げられているのに、しっかりとホールドされているのか痛みもほとんど無い。


「もぉ、離してよぉー」

「ガジャデォソリアンダ」(言葉が分からないのか?)


(何言ってるの?分かんないよぉ)


「わっ、わわわ」

ゆっくりと男の全身を見渡すと、男の尻尾のようなものが鋭く天を向いている。


「わわわ・・・」


(え?そんなことないよね?)

(ま、まさかよね?)


私は、その恐怖から逃れるため、必死に両足をバタつかせた。

しかし、大男の両腕からは逃れられない・・・


「ポジギナァグフリッツティゾ」(少しだけ我慢しろ)

男の鋭利な尻尾は、今にも私に突き刺したそうにクネクネと動き、宙を徘徊している。

(え、待って!)


鋭利なそのモノの先端から、潤滑剤のようなものが(あふ)れ出て、先っぽからゆっくりと流れ落ちた。

『ポタっ』


その潤滑剤が灯りに反射し、鋭利なモノが黒光りしている。


『シュッ、キュルキュル』

音を立てると、その鋭利なものは、一瞬にして柔らかくワームの様に変形し、私の太腿に巻きついてきた。


「ちょ、ちょ待てよぉー」

「ん、ぁあっん」


『ブスっ!』

変形したワームの先端は、私の大きなお尻に思い切り突き刺さった。


「わぁーーーーん、痛いってばさ!!」


潤滑油のような液体が私のお尻から体内に注入され、身体が熱くなっていく・・

「んぁ、な・・・に・・・」

(何これぇ、こ、こんなの初めて・・・)


注射の経験はそれなりにあるんだけど、インフルエンザのワクチンとは大違いだ。

(めっちゃ痛いんだけど!!!)


私はその男を睨みつけ、男から逃れようとさらに両足をバタバタさせた。

男の前で大事なところを全部曝け出してるのも忘れ・・・

(そもそも、何も身に着けてないんですけどぉー)


さらに、毛むくじゃらの顔の(ひたい)部分から、触覚のようなモノが伸びてきた。

『シュルシュルシュル、ピーン』


その伸びた触覚は、男の前に(さら)け出した私の身体を固定するべく、バタバタさせてる両足に巻き付いてきた。


「ぁ、ダメだってばさ」

(私だって、嫁入り前の女の子だぞ)


だが、ありがたいことに部屋は薄暗く、男の顔は毛むくじゃらであったため、それが邪魔して視界を(ふさ)いでいるようだ。


(ある意味、ラッキー?)

(私って、こういうとこツイテルんだよね)(笑)


お尻に刺さった尻尾のお注射から、ゆっくりと潤滑液のようなものが注入されていく。


「グフブキュダボゥフ」(もう少しの辛抱だ)

(え?な、何言ってるのぉ?)


潤滑油の影響なのか、麻酔が効いてきたようにお尻の痛みは徐々になくなった。

(早く抜いてくれないかなぁ・・・)


『プシュッ』

そんなことを考えていると、お尻に刺さった鋭利が尻尾が引き抜かれたようだ。


(むー、痛かったぞ!)

(お姉さんは怒ってるんだぞ!)


男が両腕をゆっくりと降ろし、私の両足が床に着くと、掴んだ両手首をゆっくり解いた。

私は、咄嗟(とっさ)に大事な箇所を両手で隠した。


(だから、見るなってばさ)(笑)



第二話へ続く。


本作品は、他サイトでも投稿しています。

読んだことあるよ!って方は、ご了承ください。

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