最終章 自分に甘く、多人にもっと甘く
完璧じゃなくていい、笑っていればいい
これまで、私は「甘くする」の話をずっとしてきた。
でもその本質は、じつはとてもシンプルだ。
自分に優しくするから、他人に優しくできる。
他人に優しくするから、自分の事を好きになれる。
完璧になんてなろうとしなくていい。
厳しくなんかしなくても、世界は回る。
大事なのは、「ああ、今日も生きてるな」と思える一瞬を笑って迎えられること。
甘くするのは、誰かの心を守るセーフティネットになる
人間は誰しも、ちょっとしたことで心が折れそうになる。
失敗したとき、孤独なとき、誰かと衝突したとき。
そんなとき、誰かが「まあいっか」と言ってくれるだけで、救われるし、もう一度立ち上がれる。
あなたの甘くするが、誰かにとっての安全装置になる。
それは、派手じゃないけど確実に誰かを救う。
悲しみを知った人の笑顔は、深い。
もし、あなたが誰かを失った経験があるなら、
その悲しみは、あなたの中で深く眠っているはずだ。
でもそれは弱さじゃない。
むしろ、あなたの笑顔に深みを与える種になる。
泣いた日があったからこそ、
誰かの笑い声に救われた日があったからこそ、
今、あなたは少しだけ人に優しくなれる。
あなたのまわりに笑顔を増やす方法とは。
まず自分をしっかりと労おう。
他人のミスなんか笑って許しちゃおう。
誰かの小さな変化に「いいね」と伝えよう。
自分が疲れたらちゃんと休もう。
そして、笑えないようなことも笑えることとして受け取れるようになろう。
そんな小さな積み重ねで、
気づけばまわりが少しずつ柔らかくなっていく。
最後に
この本のタイトルは「自分に甘く、多人にもっと甘く」。
最初はただの言葉遊びに見えたかもしれない。
でも、ここまで読んできたあなたは気づいていると思う。
これは、生き方の指針である。
厳しさは必要なときだけ使えればいい。
それ以外の時間は、甘くすることと笑顔で世界をやわらかくしていこう。
その方がきっと、人生は楽しく充実し、あなたのまわりも幸せになる。そしてその多人の幸せすらも自分の糧になっていくだろう。
今日も、ひとつ笑える話を増やそう。
明日も、誰かの失敗を「まぁいいか」で済ませよう。
そうして、あなたのまわりが、いつまでも笑顔であふれるように。
その笑顔の連鎖が、やがて世界を甘く包み込み、やさしさであふれることを切に願っています。
