第二話『ミリィ、初めての人間界!』
お世話様です。
数ある作品の中、ご訪問頂きありがとうございます。
今回は、ミリィが初めて人間界に来たお話しです。
まるで子供のようにはしゃぐ彼女の姿を感じて頂けたら嬉しいです。
どうぞ宜しくお願いします。
七色にきらめく光の柱――
精霊門をくぐったミリィは、ふわりと足元が宙に浮くような感覚に包まれた。
「う、ん…………」
光の眩しさで一瞬、目を瞑ったミリィ。
そして、ゆっくりと目を開ける。
「んん――え、わああっ……!」
目の前に広がったのは、見たこともない海と青空。ふわふわの白い雲。
そして、後ろを振り返ると遠くには、どこまでも続く緑の野原と、人間たちの住む町が小さく見えた。
ミリィは、パァっと顔を輝かせる。
「これが、ここが……《人間界》――! 本当に、本当に来ちゃったんだ!」
ふわっとスカートを揺らしながら、ミリィは野原に駆け出した。
草の上をころころ転がったり、小さな花を見つけてはしゃいだり、羽のように軽いステップでぴょんぴょん跳ねたり。
「あはは、見てみて! このお花、ちっちゃくてすっごくカワイイーっ!」
誰に言うでもなく、満面の笑みで花を掲げるミリィ。
その姿は王女という気品をまったく感じさせず、むしろ一人の無邪気な女の子のようだった。
精霊城では、お行儀よくしなきゃいけなかった彼女も、今は誰の目もない自由の中、心からはしゃいでいた。
――風が吹く。
スカートと金色の髪が、光の粒をまき散らすようにふわりと踊った。
ミリィは両手を広げて、思いっきり深呼吸する。
「――ん~~~~っ! 人間界、最高~~~っ!!」
その無邪気な叫びは、海の向こうまで響いていった。
本作を最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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