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ぱみゅ子だよ~っ 弓道部編  作者: takashi
選抜大会
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第78話 もうひとつのクリスマスプレゼント

朝の検診が終わり、特に異常もなくほっと一息ついた頃、祖母が病室にやってきた。


「杏子ちゃん、一応朝ご飯作ってきたけど、食堂やコンビニに行ってきてもいいのよ。」

祖母は微笑みながら差し出した包みを見せた。


「え~、おばあちゃんの料理が好きなのに?」

杏子は少し頬を膨らませて言うと、すぐにに机に向かい、手早く包みを開いて食べ始めた。


「うん、おばあちゃんの玉子焼きはやっぱり最高に美味しいね」

「ぱみゅ子、そこは最&高に美味しい、と言うんじゃ」

祖父がそう突っ込むと、祖母は、杏子に、味噌汁を入れてきたスープジャーを出した。

「うわ~っ。おばあちゃんの味噌汁、ほんっとに美味しいからな~」

そう言った杏子は、祖父の方を向いて

「最&高だもんね、おじいちゃん」

と笑顔で言った。


祖母は持参してきた小さなスピーカーを祖父の枕元に置き、きゃりーぱみゅぱみゅ様の音楽を小さな音で流し始めた。

「うむ。やっぱたいいスピーカーだと声の響が違うな。ありがとう、雅子ちゃん」と満足げに言った。

その軽やかなリズムに耳を傾けながら食事をしていると、病室のドアが静かに開き、杏子の両親が顔を覗かせた。


「あっ、お父さん! お母さん!」

杏子は驚いて声を上げる。


「おじいちゃん、状態が落ち着いたから、もう来ないのかと思ってた。」

そう言う杏子に、母は微笑んで答えた。


「お父さんがなんとか仕事を空けてくれたからね。それより、お義父さん、具合はどうですか?」

母は祖父に優しく話しかけた。祖父はいつものように、「大丈夫、なんともないよ。心配かけて申し訳ない」と照れたように言い、軽く笑った。


父も祖父の顔色を確認し、改めて安心した様子だった。医療従事者でもある父は、プロの目で祖父の状態を冷静に判断し、現状問題ないと見て取ったようだ。しかし、父は短い会話を交わしただけで早々に帰ると言う。


「え~、お父さん、もう少しいたら?」

杏子が不満そうに言うと、父は苦笑いしながら答えた。


「お母さんがしばらく残るようにしたから。それに、どうしても片付けなきゃいけない仕事があるんだ。お正月には帰るから」

そう言うと、父はさっさと病室を出て行った。


「お父さん、本当に大事な仕事があるのよ。許してあげてね。」

母がフォローするように言うと、杏子は改めて祖父の顔を見た。祖父は当然のような表情をしており、杏子は「男同士ってこんなもんなのかな」と心の中で思った。

すると、祖父が、

「あいつ、言うのを忘れたな」

というので、杏子が

「何を?」と聞くと、祖父はドヤ顔で

「I'll be back」や。

と言った。変わらぬ祖父に、杏子はあきれ顔を見せながらも安心した。


それに、やはり家族の顔を見られるのは嬉しかった。母にもうずっと居るのかと聞いたら、退院したら、また父のところに行くが、正月には一緒に帰る、と言われた。


その時、まゆが病室にやってきた。杏子はまゆに母を紹介し、母にはまゆを紹介した。父が帰ったばかりだと伝えると、まゆは「それは残念」とノートに書き込んだ。


「今日は帰ろうか?」

まゆが気を遣って尋ねるが、杏子は「一緒に勉強しよう!」と笑顔で誘い、横の机で二人で話し始めた。「それに、今日は団体戦だから、一緒にあかねの報告を待とう」


その後、母と祖母は買い物へ出かけた。年末の準備をするためだという。祖父は時々杏子に話しかけ、お昼の時間には三人で楽しく食事をした。しかし、薬のせいか、しばらくすると祖父は再び眠りについた。


杏子とまゆは、刻々と送られてくるあかねからのLINE報告にかじりついていた。今日は団体戦の予選があり、光田高校は無事に突破し、1回戦も勝利して翌日に繋がったという。


二人で静かに喜んだ。


その後、栞代から電話がかかってきた。電話越しに瑠月や冴子、沙月、そしてあかねの声が聞こえ、祖父にも話をしてもらおうとしたが、眠っていることを伝えると「また明日」と栞代は笑いながら電話を切った。杏子は心から「明日も頑張って」と願った。


あまり眠りすぎるのも良くないと思った頃、母と祖母が戻ってきた。そのタイミングで祖父を起こし、全員で楽しく会話をした。まゆは祖父のために、いくつかのなぞなぞを考えて披露し、祖父を笑わせた。


夕方になり、検診と食事を終えた後、今日は祖母が泊まる番だったが、杏子は「やっぱり私も泊まりたい」と言い出した。


「今日はゆっくり家でくつろいでおいで。お母さんもいるし。」

祖母が優しく促すと、母も「おばあちゃんも、おじいちゃんと一緒にいたいのよ」と笑いながら言った。すると祖母は顔を真っ赤にしながら手を振った。


結局その日は祖母を病室に残し、杏子は家に帰ることにした。まゆと明日の予定を確認しながら、まゆの家までタクシーで送った。


家に戻り、杏子は翌日の準備を整えた後、リビングで紅茶を淹れた。「おじいちゃんならもっと上手に淹れるのになあ」と思いながら、母にも紅茶を勧めた。


その時、ふと朝のことを思い出した。


「ねえ、お母さん。今日、不思議なことがあったの。」

杏子は朝のプレゼントについて話した。「いったい誰が持ってきたんだろう?」


母は少し微笑みながら応えた。「そりゃ、サンタさんに決まってるじゃない。クリスマスの日にはサンタクロースがプレゼントを持ってきてくれるって、忘れちゃったの?」

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