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ぱみゅ子だよ~っ 弓道部編  作者: takashi
エイプリルフール譚
412/413

第412話 あの日の日記(一年生カルテット&若頭)その1

【真映の日記】


いや〜、ほんっとに、めっちゃくちゃ面白かった! みんな心の底から楽しんでくれたと思う。我ながらよくやったよ。今回の企画「Trompe-l’œilトロンプ・ルイユ」! もちろん、みんなの協力が無ければ絶対にできなかったから、そこはほんとに感謝、感謝。だけど、手前味噌ながら、最高のお祭りになったと思う。


つくづく思うけど。うちの弓道部って、なんで、練習こんなに楽しいんだろ。 中学の時は「部活の練習なんて、厳しくて、辛くて、イヤなもん」っていう、強烈な刷り込みがあった。練習内容とか、別にそんなに変わらないはずなのに。なんで、こんなに空気が違うんだろう。 これは、やっぱり親分(杏子部長)の、あの人徳の成せる技、って気がする。 あの人は、わたしがサボってても、何も言わない。怒らない。だからこそ、逆にサボれない。「なんで何も言わないのか」……その意味が分かっちゃうから。 ま、とにかく。どんなにシンドイ練習も、あの人がいると、なんか、明るくやっちゃうんだよね。


体力トレーニングなんて、ぶっちゃけ、シンドイばっかりだし、メンタルトレーニングも、時々、眠くなるほど超退屈だし。でも、なんやかんや、やっちゃう。 若頭(栞代先輩)は、完全なる「北風」で、親分は「太陽」。ほんと、いいコンビだよ、全く。


おっと、話が逸れた。 というわけで、今日は自主練習は早退させてもらった。親分が、悲しむんじゃないかと、それだけが心配だったけど。寂しがるんじゃないかなあと。違うか。むしろ、「用意、大変だと思うけど、ありがとうね。楽しみにしてる」って、言われちゃった。 いやいや、親分! その勿体ないお言葉! ありがたき幸せ! ま、横で見ていた楓が「あ、しまった、失敗した」って顔してたけどさ(笑)。でも、楓はその分、親分と一緒に、最後まで練習できるし、その後、掃除まで一緒にできるって、めちゃくちゃ張り切ってたから。ま、いっか。 ……って考えたら、あいつ、掃除はいつでも親分とセットでやってるな。抜け目ないやつめ。


で、早退して、一回家に帰って、つばめと待ち合わせして、ソフィアさんのお宅へ。 やっぱ、北欧デザインの一軒家って、いいよなあ。憧れるわあ。


ソフィアさんのおじいさん、エリックさんと、おばあさん、リーサさんにご挨拶。この二人は、ほんっとに絵に描いたような、お似合いの夫婦なんだけど。 一方、親分とこのあのおばあさんは、なんであのご隠居おじいさんと、結婚したんだろ? これこそ世界に誇る日本の七不思議だ。


でも、まあ、わたしもあのご隠居のこと、嫌いじゃないけど。というかあの人、面白いからなあ。 若頭が冗談半分でおばあさんに聞いた時、おばあさんは笑いながら「……覚醒の時を待ってるの」と、答えたとか。 ……いや、もう孫も居るのに、いつ覚醒すんだろ。おばあさんは、普段、穏やかであんまり話さないけど、実は、相当面白いとみた。


いよいよ、2年生だ。やっと後輩ができる。 杏子部長は優しすぎるから、も、舐めた態度とるようなやつが来たら、絶対にわたしが締めてやる。 ……といっても、若頭が居るから、大丈夫か。それに、ひそかにあかねアネゴも、本気で怒ったら、結構怖いしな。


さてさて。ほんとに今日は、司会で忙しかったよ。うん。ちゃんと司会進行できて、良かった。 司会、さいこー。 ……うん。司会「しか」、してないけど、まあ良かったよな。 司会、大好き。また、司会「だけ」、しよう。……だけ、な。


今日の練習 46/68 (.676) 公式練習では、7割行ってたけど、自主練習で、ガクッと落ちた。 一華に、「気持ちがすでに遊びに向いています」と怒られた。 そんな意識は無かったんだけどな。でも、親分はにこにこして、「大丈夫だよ」っていつものアドバイスだった。 ……やっぱ、親分には敵わないや。


課題:精神力をつける。(遊びに惑わされない!)

目標:レギュラーになる。

全体目標:全国優勝!


【楓の日記】


今日は、本当に楽しかったなあ……。 午前中の公式練習はいつも通りだったけど。午後からの自主練習の後半は、準備組が抜けて人数が少し減ったから、いつもより、ちょっと多めに引けた。


しかも! し・か・も! 杏子部長の、と・な・り! ふふっ。もう、緊張したあ。心臓、飛び出るかと思った。でも、最高に楽しかったな。 最初はドキドキしすぎて、射が乱れちゃったみたいで、すぐに一華がすっ飛んできてたな。「脈拍、上がってます」って。……早くなる癖は、ちゃんと直さないとなあ。 そのあとは、杏子部長から、ちょっとだけど個人レッスン。こ・じ・ん・レッスン!


春の入ったばっかりの頃は、瑠月先輩と交代で、ずっと、見ててもらってたのに。あのころのわたしは、まだ、この尊さに目覚めてなかったんだ。……楓の、バカバカっ! でも、普段でも隣になることはあるのに、人数が少ない時の隣は、なぜ、こんなに特別に緊張するんだろ。


掃除も、ずっと一緒にした。栞代先輩、呆れてたけど。

これで、いいのだ。これが、正義なのだ。


『Trompe-l’œil – Silmänkääntö teekutsuilla』も、めっちゃ楽しかったなあ! 紙コップ、というか、あの「超絶技巧・紙製コップ」。全く分かん無かった。部長のおじいさまの時よりも、さらに難しくしたって言ってたけど。あのおじいさまの眼力の偉大さがよく分かったよ。


テイスティングは、紅茶が分かったのは、ほっとした。コーヒーは、完全にしてやられたし。 でも! 最後の射型クイズ! あれはちゃんと分かった。えっへん。 ……といっても、間違えたのは真映だけなんだけどね。「ひっかけ問題だと思った」とか言ってたけど。ああいうのは、自分が人をひっかけることばっかり考えてるから、そう思うんだよねえ。


でも。わたしと部長を間違えてくれたのは、正直、嬉しかったかも。 自信になったよ。真映、ありがと。


もう2年生。後輩、ちらっと聞いたら、すごい実力の子が入るそう。 うーん。弓道部としては、喜ばないといけないんだけど……。部長と一緒に試合に出たいわたしとしては、ちょっと、複雑な気分。 ただでさえ、先輩たちの壁は高いのに。壁がまた増えちゃったよ。 でも、がんばろっ! 杏子部長を想う気持ちは、絶対に、誰にも負けないからね!


今日の練習 66/92 (.717) あと、1本で、目標達成だったのに……! 一華がきっちりとプレッシャーかけてくるから、外しちゃったよお。分からなかったら絶対に、中ってたよっ! 「そんなときこそ、姿勢だよ」って、部長。 ……分かってるんです。分かってるんですけど、出来ないんですよねえ……。 こここそ、部長を見習わないと。


課題:精神力をつける。(一華のプレッシャーに勝つ!それが試合に繋がる!)

目標:杏子部長と一緒に、試合に出る!

全体目標:全国優勝!

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