第333話 それぞれのLINE、重なる想い
【グループLINE:光田高校弓道部】
21:30
奈流芳 瑠月
杏子部長、栞代ちゃん、あかねちゃん、まゆちゃん、紬ちゃん、Kulta Sofia、真映ちゃん、つばめちゃん、楓ちゃん、一華ちゃん。みんな、あらためて、心のこもった千羽鶴を、本当にありがとう。
今日、共通テストを受けてきました。
正直、すごく緊張したけど、カバンに入れていた、少し分けたあのお守りの鶴を見つめる、不思議と気持ちが落ち着いて、ちゃんと最後まで、自分の力を出し切ることができました。
自己採点の結果、第一志望の大学も、十分に合格圏内でした✨
でも、ここで気を抜かずに、前期日程の二次試験まで、最後の追い込みをかけます。
みんなの期末テストが終わるころには、私の結果も出ているはずだから、そのときは、一緒に笑いたいな。
だからね、みんなも、今から少しずつ、ちゃんと勉強しておいてね(笑)
期末を乗り越えて、次の高校総体へ、胸を張って向かえるように。
一緒に、頑張ろう。
的前では一人だけど、一人じゃない。
同じように、勉強は一人でするものだけど、一人じゃないんだって。
そのことが、今回、またまた改めて、ほんとうに、良く分かりました。
みんな、本当にありがとう。大好きだよ。
奈流芳 瑠月
→冴子、沙月
もうすぐ、受験本番シーズンだね。
一緒に、がんばろうねっ! 鶴の威力は、絶大だぞっ!(笑)
秋鹿 あかね
瑠月先輩、お疲れ様でした! そして、すごい! さすがです!
朔晦 真映
瑠月先輩、かっこよすぎます! わたしも、期末、頑張ります!(たぶん)
(以下、略)
【個人LINE:栞代と瑠月】
21:45
栞代
瑠月さん、お疲れ様です。
それと、今日、杏子が、修学旅行に行くこと、了承しました。
これで、ひと安心です。
栞代
正直、まさか、あいつが本気で「練習したいから行かない」なんて言い出すとは、思ってませんでした。
瑠月さんに、事前に「杏子ちゃん、そう言い出すかもしれないから。対策たてよ。無駄にはならないと思う」って言われてなかったら、多分、気づけなかったと思います。
さすが、杏子のこと、めちゃくちゃ理解してますよね。……ちょっとだけ、悔しかったです。オレだって、ずっと、あいつの横にいるのになぁ、って(笑)
栞代
篠宮かぐやさんへの連絡が、少し手間取りましたけど、瑠月さんが、早めに、余裕を持って教えてくれてたおかげで、無事に、間に合いました。
拓哉コーチの話だと、鳴弦館高校は、むしろ、大歓迎ムードだそうです。
瑠月さんの読み通りですね。
杏子、弱点を乗り越えた、今の、本気の射を、一番見たいのは、きっと、かぐやさん本人のはず。
栞代
瑠月さんに言われたように、杏子は「やれることは、全部やらないと」って、思いつめすぎてます。
必要以上のものを、あいつが、犠牲にしないように。
これからも、側で、ちゃんと支えてやろうと思います。まあ、ほっとけませんしね。
栞代
本当に、ありがとうございました。
それと、テスト勉強で、本当に大変な時に、杏子のために、色々、気を配ってくれて……。杏子の分も、お礼を言いたいです。
瑠月さん、本当に、ありがとっ。
栞代
……あ、そうだ。
瑠月さんに口止めされてるから、今回の件、瑠月さんが裏で動いてくれたことは、杏子には、まだ話してません。
なんか、手柄を一人占めしてるみたいで、すごく、居心地が悪いです。
いつか、ほんとのこと、言っても、いいですか?
奈流芳 瑠月
ふふっ。栞代ちゃん、お疲れさま。
きっと楽しい修学旅行になるわね。
私のことはいいのよ。杏子ちゃんの目標が叶ったら、一緒に言おっか。
【グループLINE:一年生・打倒二年生同盟!】
22:10
真映
いや〜〜〜っ、危なかったな!
真映
親分、本気で修学旅行行かないとか言い出すんだもん……。
真映
あれ、マジで宇宙人だわwwww
楓
それだけ、みんなで全国優勝したいっていう、強い気持ちの表れだよ。
つばめ
団体戦だし、自分一人だけじゃ限界があるって、部長は、分かってるんだと思う。だからこそ、自分のその真剣な気持ちを、まず、私たちに見せて、チームを引っ張ろうとしてるんじゃないかな。
楓
でも、部長って、絶対に、わたしたちに練習を強制したりしないじゃない。……背中で語る、ってやつ。
……かっこいいわぁ。素敵すぎる……。
つばめ
うんうん。部長の気持ちも、すごく分かるけど。でも、一人で、全部背負わなくてもいいのにね。もっと、普通に「みんな、もっとやれっ」って、言いたいんじゃないかなって、時々思う。物足りなくないのかなあって。
一華
いや、そう思ってるなら、部長は、そう言うはずです。
……あれで、部長は、本当に、私たちのこと、一人ひとり、全部見てますよ。私が、数値で出している、各個人の僅かな癖や、その日のコンディションの揺らぎ、ほとんど、見抜いてますから。
一華
この前なんて、部長の見立てと、私の出したデータ分析が、違ったので、再チェックしたら、私の、入力ミスだったんです。ちなみに、その逆のパターンは、今日まで、一度もありません。
真映
おいおい、お前ら、マジメか!
わたしなんか、「親分いないなら、修学旅行中は、公式練習だけでいいかな〜」とか、ちょっと思ってたぞ!
真映
でもさぁ〜〜〜!
親分がいると……さすがに、サボれねぇんだよなぁ、これが!
一華
……別に、真映が休みたければ、休めばいいのでは? 人の目を気にするなんて、あなたらしくありません。
真映
いや、だから! 人の目は、気にしないけど!
親分は、人間じゃなくて、宇宙人だから、気になるんだよっっ!
楓
(笑)
つばめ
(笑)
一華
……念のため、お伝えしておきますが。部長にも言った通り、皆さんの練習データは、修学旅行中も、全て、部長に転送されますので。
真映
ぐっ……! 一華、それ、何とか、捏造してくれ! 頼む!
一華
すぐに、バレますよ。
真映
……宇宙人だからなあ……。どこにも、逃げ場は、ねえな……。
【個人LINE:杏子の祖父と栞代】
22:30
オイ、栞代クンッ! 修学旅行、行くことになったらなったで、心配じゃ。
おじいさま
杏子の周り半径5メートル以内に男を入れるな! 頼んだぞッ!
栞代
自分は、高校の修学旅行の時、一晩中、女の子と話してたって、自慢してたのに?(笑)
おじいさま
……いや、だからこそ、心配なんじゃ! 男は、みんな、オオカミなんじゃっ!
栞代
分かった、分かった。
おじいちゃんにそっくりな奴がいたら、特に、注意するわ。。
おじいさま
わし、こっそり、付いていこうかのう……。
栞代
絶対に、辞めとけ。さすがの杏子も口きいてくんなくなるぞ。




