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9 共に歩めるものを導いていく

 殺すばかりではない。

 見込みのある者は導いていく。

 ただただ平穏に生きたいと求める者ならば。



 歩いて探っているとそういう人間も見つける。

 全体からすれば小数だが。

 そういった者達は、力を引き出せるように導いていく。



 さほど難しいものではない。

 細胞の活性化とそのきっかけになる事を与えていく。

 今のアユムならそれくらいは簡単にできる。

 霊魂を死滅させる事も出来るのだ。

 その逆に、相手の持ってる素質を引き出す事も出来る。



 細胞の活性化は脳の中に一部に刺激を与えることで出来る。

 その部分に音を当てて、振動を与えていく。

 それが刺激になって脳の中枢といえる部分が活性化する。



 そこから神経を通じて各細胞に刺激が与えられる。

 刺激が細胞の活性化につながり、超能力に目覚めていく。

 そうなれば後は早い。

 自分に何ができるのか、何をするべきなのか。

 それが分かるようになる。



『生きる』

 生命体がそもそもとして求めてるものだ。

 まずこの部分が明確になる。

 そして、その為に何をするべきかを探り始める。

 その為に知恵を働かせ、体を動かしていく。

 それでいて心は平静に、なすべき事となしてはならぬ事を見定めていく。



 そうしてるうちに答えが出て来る。

 あとは手に入れた超能力を使って事を為していく。



 たいていの場合は、周りにいる怪物に化ける人間を処分していく。

 危害を加えてくる存在だからだ。

 そんなものを生かしておく理由はない。

 それが親兄弟でも。

 我が子でも。

 友人知人でも。

 一切の容赦がない。



 親なら毒親でしかない。

 児童虐待をしてくる。



 兄弟も同じだ。

 自分を虐げてくるのが目に見えている。



 我が子も、将来誰かに危害を加えるようになる。

 親の自分が尻拭いをさせられかねない。



 友人知人のように周囲にいる者達は敵になる。

 いずれ自分を虐げに来る。



 そうなる前にさっさと処分していく。

 まだ何もしてないというのは理由にならない。

 放っておけばいずれ問題をおこす。

 そんな奴らを生かしておくわけにいはいかない。

 ──アユムによって目覚めた者達はそう理解していく。



 結果として手駒が増える。

 言葉は悪いかもしれないが、アユム以外にも行動を起こす者が出てくる。

 それらが問題の発生源になる怪物になる人間を処分していく。



 こうして仲間が増えていく。

 特に連携をとる事もなく、問題を解決してくれる者が拡大していく。

 生き残るために倒さねばならないものを倒していってくれる。



 目覚めさせていく理由もある。

 救ってる者達は怪物に化ける事がない。



 真人間。

 言うなればこういった者達だ。

 人として生まれ、人として生きられる者達。

 怪物になる要素を持たない者達。

 そうした者達だから、アユムは救っていく。

 人として持ってる人の能力を拡大させていく。



 貴重な存在だ。

 姿形だけ人間というわけではない。

 化け物にならない素質をもってる。

 それはこの地球ではかなり貴重な存在だ。

 突然変異と言ってもよい。



 基本的に地球にいる人類は怪物の要素を持つ。

 だからこそ、凶暴さや凶悪さを発揮する。

 しかし、そんな者ばかりというわけではない。



 怪物になりうる者達の中から、たまにそうした要素のない者が生まれる。

 そうした者達は生かしておかねばならない。

 無駄な凶暴さや凶悪さを持ってないのだから。



 ただそれだけで価値がある。

 何かを成し遂げるかどうかは分からなくても。

 何かを生み出すという保証は無くても。

 何かを作り出すかどうかも不明だとしても。



 悪さをしない。

 ただこの一点において価値がある。



「真人間は増やしていかないと」

 そう思いながら歩いて行く。

 怪物にならない、真っ当な人間。

 それらが怪物に殺されないようにしていく。

 超能力を使えるようにして、生存していけるように。

 生き残るための手段を身につけさせていく。



 確実に生き残れるというわけではない。

 だが、死ぬ可能性は低くなる。

 今はそれで良い。



 その為に、見つけた真人間の能力を解放していく。

 少しでも生存の可能性を上げるために。

 そうしたら、それ以上何かをする事は無い。

 目覚めた者がやがて周囲の敵を駆逐し始めるのを待つだけだ。



 ただ、目覚め立てであっても、それなりに強い。

 化け物になってない人間を殺せるくらいには。

 なので、真人間は周囲の脅威の殲滅を始める。

 放っておけば自分に危害を加える者達を。



 それは生存本能のなせる業だ。

 誰だって死にたくない。

 辛い思いや痛みをおぼえたくはない。

 そんなものをもたらす存在は出来るだけ排除する。

 当たり前の事だ。



 そんな当たり前を実行していく。

 相手が今は何もしてなくてもだ。

 いずれ必ず危害を加えてくる。

 そうなる前に始末する。



 それに。

 大半の真人間にとって、周囲の化け物は敵だ。

 既に何らかの危害を加えられている。

 そんな奴等を生かしておく理由は無い。



 あちこちで怪物退治が始まる。

 それをアユムは心地よく眺めていった。

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