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6 最終的に敵になった連中

 これから起こる未来の出来事。

 その中でアユムは別に一人だったわけではない。

 最終的にはそうなったが。

 一応、仲間といえる者達もいた。



 人が化け物になっていく中で。

 狂乱と絶望の中で。

 一緒に逃げ回った者達。

 生きていくために食料や物資を集め。

 怪物と戦い。

 居場所を守るために肩を並べていた者達。



 そんな者達がいた。

 頼れる、気の置けない中の者達が。

 であるが、最終的には敵に回った。



 アユムのしようとしてる事を邪魔しにきた。

 立ちはだかる敵になった。

 説得も交渉も出来ない。

 妥協点など無いのだから。

 だから、最後には倒した。



「…………」

 どうしても嫌な思いがこみ上げる。

 後味が悪い。

 相容れない存在だったのは確かだ。

 だが、途中までは共に肩を並べた仲間だったのだ。

 友とはいえなくてもだ。

 そんな者達を殺した。



 そいつらは今も生きている。

 今なら、と言うべきだろうか。

 過去の今なら、彼等も生きている。

 再び巡りあう事も出来る。

 だから気分が悪かった。



 これから殺さねばならないのだから。



 たとえどれほど気を許せる相手だったとしても。

 気心の合う仲間だったとしても。

 最終的に敵になった。

 なら殺すしかない。

 邪魔にしかならないのだから。



 今なら、それほど苦労しない。

 今のうちにやっておいた方が良い。

 そう思ったから処分していく。

 敵を生かしておくわけにはいかないのだから。



 かつての友。

 今は敵。

 ならばどう判断するべきか?

 友として扱うのか?

 敵として対処するのか?

 考えるまでもない。



 脅威になるなら敵である。

 そうなる可能性があるなら、事前に処分する。

 これを間違えた事で常に被害を受けてきた。

 出さなくて良い損害を出してきた。



 情けや容赦のせいだ。

 こんなもの、仇にしかならない。



「しょうがねえよな……」

 気は進まない。

 だが、やるしかない。

「敵なんだし」

 最終的にそうなった。

 ならば、どうしようもない。



 歩いてる途中で、敵になった連中の家の前をかすめる。

 そこには確かにこれから友を経由して敵になる奴がいた。

 だから、容赦なく殺した。

 霊魂そのものを潰して。



「じゃあな」

 別れの言葉だけは口にする。

 相手へのせめてもの報い……ではない。

 アユムが自分の気持ちにけりを付けるために。



 そう呟いてみて分かったのだが。

 意外と罪悪感も後悔もなかった。

 ただ、晴れやかな気分になった。

「なんだ」



 それで分かった。

 かつての友。

 一緒に作った思い出。

 それは記念でも何でも無い。

 ただの重石でしかなかった。

 心や気持ちを縛るだけの、呪いである。



 こんなもの、さっさと放り出せば良かった。

 思い出に縛られる必要もなかった。

「無駄な事をしたな」

 残るのは後悔だけだった

 もっと早くやってれば良かったという。

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