5 危険を先に潰していく
アパートから始まった化け物殺し。
それはアユムの歩みと共に拡大していく。
なにせ歩いていく先々に化け物がいるのだ。
放置が出来ないのだから始末するしかない。
あらためて思うが、よくぞこれだけ化け物がいるものだと驚く。
いっそ感心するくらいだ。
それ以上にウンザリするが。
「なんでこんなに化け物がいるんだよ」
真っ当な人間の方が小数だ。
もっとも、未来においても怪物に化けない人間は小数だった。
それを考えれば、化け物になる人間の数はこんなものなのかもしれない。
土台になる人間が多いから化け物が溢れるのだろうから。
そんな連中が化け物になる前に処分していく。
出来れば問題が起こる前に。
人間を辞めて化け物になる前に。
今後発生する被害を少しでも抑えるために。
歩くごとに安全圏が拡がっていく。
怪物になる人間が減っていく。
近所から始まり、その周辺へ。
掃除の範囲を広げていく。
途中、アユムに縁のある者達の家にもさしかかる。
未来においてアユムを虐げてきた連中だ。
学校における犯罪行為であるイジメ・悪巫山戯をやらかす者どもだ。
これらも事前に処分していく。
化け物になる要素を持ってるので遠慮はしない。
たとえ化け物にならなくても処分していく。
危害を加える者なのは変わらないのだから。
生かしておく理由がない。
イジメにしろ悪巫山戯にしろ犯罪行為なのは変わらない。
他人に危害を加えてるのだから。
たとえ法律の定める罪を犯してなくてもだ。
悪事をはたいてる事にかわりはない。
他人に危害を加えるのが悪さ・悪事である。
そんな事を平気でやるような奴を生かしておくつもりはない。
将来の禍根を先に排除しておく。
これで二度と煩わされる事は無い。
霊魂ごと消滅させたので、来世なども気にする必要がない。
「ざまあみろ」
すっきりとした気分で悪態を吐く。
処分される者が受ける当然の報いであろう。
もっとも、やらかす事を考えれば、罵詈雑言ではとても償いにならないが。
それでもこれで終わらせるしかない。
もう、問題をおこす輩は消滅しているのだから。
化け物や危害を加えてくる者だけではない。
これから出会い、友に、仲間になる者達の家にもやってくる。
それらもまとめて処分していく。
これもまた生かしておけない奴等だからだ。
さすがにこれらには、
「残念だけど」
と少しばかりの躊躇いを抱いた。
だが、やる事はやっていった。
「邪魔すんなよ」
これから起こるかつての事態を思い出してため息を吐いた。
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