↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
森林開拓日誌  作者: tanuki
森を守るお仕事
PR
68/188

五日目・シャールの町⑥

 鉱物商の所へ行ったが、プラチナは置いていなかった。一応聞いてみたが、そんなもんあるわけねえよ、と返されてしまった。王都や大きな街以外では滅多に出回らず、稀に手に入っても馴染みの職人たちに卸してしまうらしい。プラチナは諦めて鉄鉱石とスズを購入した。スズは銅貨30枚分、鉄鉱石は銀貨2枚と銅貨50枚分だ。スズはこぶし大の塊だが、鉄鉱石は大量に購入した。俺が持っている背負い籠と同じくらいの籠いっぱいに詰まっている。この量はさすがに持って歩けないので、取り置いてもらって帰りに取りに来ることにした。ちなみに、まとめ買いのサービスとして籠はタダだった。

 「鉄は多めに必要だとは言ったが、少し買いすぎじゃないか?半分でも余るくらいだぞ?」

 いつもどおり建物と建物の間に入って話をする。リリティアさんは無造作に置かれた手押し車の上に座っている。

 「ええ、鉄は別に使いたいことがありまして。それに、余っても色々なものに使えますしね」

 「確かに、神の門を使えば大抵のものは作成できるからな」

 やはり鉄があることで、作れるものが格段に増える。余裕がある時に購入して、在庫を持っていたほうがいいだろう。

 「さて、次に行く所だが、そろそろ折り紙を売りに行こうかと思う」

 「店が開いていないからと、後回しにしていましたね」

 「ああ。この時間ならばそろそろ開いている頃だろう」

 「売るものはこれで最後ですね」

 「そうだな。これを渡してしまえば、後は自由でいい。買い物なり観光なりやりたいことをしてくれ。もっとも、こんな小さな町では、観光をするような場所もないがな」

 観光か・・・町の中を見て回りたいという思いもあるが、背中の背負い籠が邪魔だ。必要なものだけ買って、観光はまた今度だな。お土産は露店で買ってあるので大丈夫だ。

 「次に向かう前に、パン食べますね。ちょっとお腹が空きました」

 「そうか、私もナッツをもらっていいか?」

 「ええ、もちろん。ナッツに限らず何でも食べてくださいよ」

 リリティアさんが食べる量は、大した量ではない。好きなだけ食べてもらっても大丈夫だ。

 「ありがとう。木の実にはマナが豊富に含まれる。飛行に必要なマナを、ある程度補給しておきたい」

 「それで、ホージュの実を食べてたんですね」

 「ああ。この体はマナさえあれば、他の栄養素を必要としない。だからマナの豊富な食料があれば、それを少量摂取すればいい」

 便利な体だなぁ。俺もそれだけ省エネなら、食料調達に困ることもないんだけど。人間の体はそういうわけにもいかない。

 露店で買ったナッツ類の入った袋を開け、リリティアさんの横に置いた。日本のミックスナッツのように、6種類の木の実がローストして袋詰されているものだ。その中からリリティアさんは、1つずつ選んで食べている。背負い籠で目隠しをしているので、通行人に食べている姿を見られることはないだろう。

 「パンが固いな・・・それにボソボソしてるから口の中の水分が持ってかれる」

 俺が食べているパンも、中に木の実が入っている。何種類もの木の実が入っているため、味に変化があって食べられるないことはないが美味しくはない。

 「安いパンは固い。原料が違うのでな。この町にも柔らかいパンは売っているが、30倍近い値段がするので庶民は滅多に購入しない」

 だから木の実などを入れて、食べやすいようにしてあるのかな。アイリアさんが用意してくれたバケットは、これに比べれば遥かに美味しかった。あんな美味しいパンは、そうそう食べられないかもしれない。

 パンを三分の一まで食べたところで、ジュースを飲んだ。森で採れる果実を絞ったもので、竹筒のような水筒に入っている。コクのある甘さの後から、ほのかに苦味の混ざった酸味が追いかけてくる。果汁100%のミックスジュースだが、バランスが絶妙だった。

 「ジュースは美味しいなぁ。銅貨1枚だし、来るたびに買ってもいいな」

 「ほう、確かに美味しそうだな」

 「少し飲みます?」

 「・・・お前が口をつける前だったらな。次に町に来た時にもらうことにしよう」

 人形みたいな姿でも女の子だもんな。ここから屋台に戻るのは大変だから、今回は我慢してもらおう。

 このジュースだが、水筒は別売りで銅貨5枚だったが、容器を持っていけば銅貨1枚でジュースだけ売ってもらえる。木の実のパンが銅貨4枚だったことを考えると、この味で銅貨1枚はものすごくお得感がある。

 パンを食べて口の中がパサパサになり、潤すためにジュースを飲む。それを繰り返しながら、なんとかパンを食べ終えた。300ml以上はあったジュースも、食べ終わる頃にはちょうど空になった。同じようなパンで、中身が入っていないものを大量に買ってしまった。これがこの地域の主食らしいのだが、食べやすくする工夫は必要そうだな。

 それについては追々考えることにして、おやつを食べ終えたし折り紙を売りに行こう。さらの紙がかなりの値を付けた。更にひと手間加えてあるのだから、もっと上を期待したいところだ。

柔らかいパンの値段を修正、3倍→30倍。単純な計算ミスでした。3倍では頑張れば食べられますね・・・

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。