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森林開拓日誌  作者: tanuki
猫目石
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女神アイリアは出席する

 うーん、こんなものでいいですかね。もう少し説明を省いて、短くまとめた方がいいでしょうか。悩みますね・・・でも、まあこれでいいでしょう。今回は大陸級の会議なので、できるだけ詳細に伝えた方が良さそうです。

 やっぱり、ちょっと緊張しますね。緊急会議なんて久しぶりですからね。森林の異常繁茂の時ですら、担当区域内の問題だからと会議にはなりませんでした。前回の緊急会議は、北方で戦争が起こりそうになった時でしたっけ。今回もそれくらいの状況だと判断されたのでしょうか。専門部署に依頼して対応してもらえれば、状況が悪化する前に解決することができます。拡大してからでは手がつけられませんからね。月からも誰か出席して、対応の段取りを決めるための会議だと思いますが。

 それにしても、最初にリリが報告に来た時は驚きました。話を聞く限りでは、それほど重大な事態とは思えませんでしたから。それにも関わらず、検査に出すとまで言うんですから。半信半疑のまま検査の依頼を出したら、本当に重大事だったので更に驚きました。

 そう考えると、たまたまリリを派遣していたのは運が良かったですね。お陰で早期に発見することができました。もし、その場にいたのが私だったら、気にせず通り過ぎていたと思います。そもそも、その場に居合わせること自体なかったでしょう。だから、今回の状況は本当に幸運でした。当事者が苦しんでいる状況で、幸運だというのは不謹慎かもしれませんが。それでも、こちらが認識できるというのは大きいです。一番厄介なことは、問題が気づかない内に深刻化することですからね。先輩も常々そう言っていました。

 リリと言えば、少し暗い感じがしましたね。守さんの指導に派遣して以来、久しぶりに一緒にご飯を食べていた時です。その時、少し気落ちしているというか、落ち込んでいるように見えました。何かあったんでしょうか。問題を早期発見したことは間違いなく成果と言っていいですから、今回の事態とは関係ないとは思いますが。リリのことですから大丈夫だとは思いますが、少々心配ですね。日報にも何度か出てきていた、リベルさんという方に何かあったのでしょうか。守さんと話せる機会があれば、何か変わったことがなかったか聞いておきたいです。一緒にいる守さんなら、何か知っているかもしれません。

 その機会が来たら、守さんには何かこちらの食べ物を渡してあげましょう。我々の世界の食べ物を、食べてみたいと言っているようですから。そもそも守さんには元いた世界に比べて、遥かに文明が遅れている世界で生活をしてもらっていますからね。リリが作ることもあるようですし、食事はそれなりに充実しているようではあります。ですがそれでも不十分なことはあるでしょう。昨日の食事の時も、リリはそのことを気にしていました。手に入る食材や調味料が限られるから、どうしても料理のバリエーションが少なくなってしまうと嘆いていました。となると、お菓子よりも食材や調味料の方がいいでしょうか。

 緊急会議の準備も終わりましたから仕事は終わりにして、スーパーで買い物をして帰ることにしましょう。ついでに、守さんやリリに差し入れするものを選んでおきましょうか。当面、森に行く機会はないと思いますが、事前に考えておいた方が慌てなくていいですからね。

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