セット
新作よろしくお願いします。
人々が生み出した空想の中には
異世界転移というものがある。
男子中高生からの人気は絶大で、誰しも一度は
行ってみたいと思うものだろう。
この世界にはない文化、生物、そして力。
その全てが我々の心を刺激する。
私が異世界転移に関して
抱く思想を語らせてもらおう。
その前にとある18歳の男子高校生の
お話でもしようか。
そいつは
ほんとになんの変哲も無い高校生さ。
何か1つ特技があって恋愛もそこそこ、
中二病にだってなったことがある。
でも彼はね、その生活から一転して
とても数奇な人生を辿ることになる。
そこに運命があるかは分からない。
僕は誰かって?いい質問だ
僕は––––––––––––––––
ドッキリ企画にしてはリアルすぎる。
このような場所、生物見たことねぇ
大通りの道端に佇む男、上山雪は
困惑している。見たことのない景色、生物、
食べ物、武器。
世界観はまるでタイムスリップした挙句に
ヨーロッパまで連れてこられた気分だ。
二足歩行の人間サイズの猫、逆に人間に
ネコミミと尻尾の生えた者もいる。
食べ物にいたってはつい先ほど人間のような
見た目の豚が棒に吊るされて運ばれていた。
それを丸ごと売ってる店もある。
武器は2メートルはあろう大きな槍のようなもの、
太く、大きい剣、持ち手の先端に棘鉄球のついた武器
などを売っている。
「これって、まさか」
体が熱くなるのを感じる。
心臓の鼓動が早くなる。
ワナワナと体を震わせる。
歯を食いしばりその場に少し屈み込む。
「異世界......キタァァーーーーー!!!」
手を広げると同時に大声で叫ぶ。
まだ18の若い青年の大声が街中に木霊した。