95/100
探し人来たらず
送る相手を失ってしまった
私の詩はどこへ行けばよいのだろ
とてつもない青さで捕らえた
日々、また、日々
どこまで真摯でいられるか
どこまでふざけていられるか
中庸にまぎれて
夜を誤魔化す電灯のよう
蛍を探すこともない
送り火を目の端にとめて
そ知らぬふりをしている
交わす言葉のなさが
体の芯を打って
願いごとがほどけていく
泣かないで、と
あの人は言ったのに
立つ場所を間違えてしまった
今が苦しい
あなたに誰と叫びながら
通り雨に立ち尽くすだけ