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玉手箱
美しく磨かれた人
繰り返される虚ろ
何度めかの歓声が
時を波縫いにして
挟まれた孤独の代
いつもの笑顔の奥
あの日の影を探し
見つけた違う光の
ほの赤さが裂いた
レースのハンカチ
ほつれるしかない
関係の果てで編む
青い鳥よ、どうか
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咲き溢れた茉莉花
忘れたことを忘れ
微笑んだ暑い夕べ
びいどろを鳴らし
子供の真似をした
風は止んだけれど
人影に乗って渡る
街街の響きは何も
何も変わらないわ
懐かしい声がふと
耳を過ったけれど