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遥かなる世界を
こぽり
こぽり
あなたから
わたしから
空に溶けてゆく
愛の音
毒を命に変えて
解き放った
はじまりの日
躰に海を抱いて
歩み出した
旅立ちの日
“思い出して“
恐れと望みに
揺らぎながら
ここまで来たの
見えたものが全てではなかったわ
いつだって
瞬きすれば貌が変わってる
不思議だけれど
そんなものね
途切れずに続く道
何処へでも行けばいいのよ
あなたも
わたしも
ずっとそうして
生きてきたのだから
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生い茂る緑も
吹き荒ぶ風も
舞い上がる砂も
滴り落ちる露も
光差す海も
闇深き洞も
あまねく命よ
すべての源よ
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