78/100
けだるい朝に、
うるわしい鳥の声
朝よ、朝よと
告げて羽ばたく
カーテンの細い隙間から
曇天が覗くのに
どうしてそう、
ため息がこぼれて
首をふる
桜が咲いているらしい
庭園には薔薇が
だから?
首をかしげて
ぴたりと閉める
薄暗い部屋
気が滅入るので
いつもの曲を流して
掃除を始めた
まぶたの裏にちらつく
花の影、木漏れ日、
あなたの背
つきる、ほど、の、
葉擦れの音がする
行方不明の音楽
窓から漂う
雨の気配
一、二時間のことだ
流れる雲は白い
何をしようとも
決められないまま
ぼんやりと
家事をして過ごす
口ずさんだ歌は
何だっただろう
はしゃぐ鳥の声で
けざやかな日の光に気付く
美しいと
思うくらい
癒える時は
来るのだろう、か