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もがく
削れていく心を繋ぎ止めようとして
まとわりつく痛みに囚われる
グラデーションの両端で
断ち切られた糸
絶望でしかないのに
まだ這い上がろうとする
光ではない
手のつく闇に逆らっただけ
唇の血、骨の手、尖った羊。
裏切ったのだろう? と嘲笑を退けて
葦に立つ。
黄金の稲穂、災禍の走り。
もはや嘆息にすら膿んだ。
土を掴む。
この手で、その手で。
もぎ取るしかないのだ。
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柔らかい心臓にナイフを入れて
腐った細胞を取り除けていく
ぷつりと切れた糸で
必要最低限を縁取る
仕方がないと言って
突き放した背中
血の滲む指先で闇を掻く
苦い舌、鉛の足、丸い犬。
裏切ったのだろう? と嗤って
地に沈む。
漠漠たる荒野、懺悔の響き。
もはや尽きた命脈を乞う。
星を見る。
この目で、その目で。
見定めるまで。