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愛のわけ
君が戦っているとき
僕は火除けになれない
君が守っているのは
僕ら二人じゃない
どうして
逃げてしまえばいいのに
君はいつも
申し訳なさそうな顔をする
澄んだ瞳が苦しい
僕では足りないのだと
血を隠して笑う
いいよ
いっておいで
けざやかに笑う君
一瞬が永遠に感じる
君の手が離れていく
明日へ駆ける背中は
崩れ落ちる僕を知らない
それでいいと
言い聞かせた
暗闇を抜け
荒野に咲く人
君が遺した
最後の言葉を
抱き締めて
希う
暁
優しい誰かが
まぶたを撫でた