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夢渡り
真珠の月が濡れる
帰りたい
帰れない
散らばる心の影、
また影……
水面の花筏
漣が拾う星屑
漂う私の声
“篝火をください”
尽きる前に
逢いたい
逢えない
空から堕ちて
弾ける泡沫
波間に沈む
朧気な記憶
何処へ行くとも
知れぬまま
黎明に乞う
日々の連鎖
薄い膜が
淡い光を
放ち消え
佇む木と
露、凩。
黄金の日が昇る
焦がれて
焦がした
愛のひとひら
忘れえぬ
永遠の刻
紅い指先に
口付けた人は
もういない
もう見ない
星の棲む町で
躰をさらう蒼い潮が
満ちる時を待ってる