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盛夏詩
ああ
空が青い
ああ
満杯の蝉
ああ
杜が蒼い
ああ
鎮守の朱
さやか
さやか
地には熱
天には風
教える雲
訪れの音
あれ
あれ
走る
傘なき子
1
2
3
で
バスの中
さぁっと
小雨に
消えてった
おお
天が鳴る
おお
千花の水
おお
虹が立つ
ああ
再びの青
~~~~
~~~~
宵の果てさえ暑く
蝉の幻聴に焼かれる
隣人は倦んだらしい
窓を開閉している
私はしょっちゅう
氷を作っている
寝返りさえ
聞こえそうな静寂
虫の恋など
何でもないと
言い聞かせる
何でもない日
凍えるように
朝を待つ
時の遺骸を
数えながら
明暗。