34/100
この夜を越えて
わたしがあなたを
卒業したら
花を一輪
贈ってください
終わりを決めた
恋だけど
かけがえがなかったと
枯れる花をください
いつか忘れる時が来て
懐かしさに泣かぬよう
痛みを傷みとして
扱えるよう
身に付けるものは
いりません
置いていくから
つま弾くギターの音色
甘さを含んだ歌声
暖かい手
持っていけるだけ
そう
他愛ない会話が
一番幸せだった
なんてことない、のです
本当に
一番星を探しましょう
忘れ得ぬ思い出に
ほら
羽が風をためています
月が昇ったそのときは
扉が開いたそのときは
お元気で。
“木の葉が光と遊んでいる”