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少年
透明な孤独
哀しみに満たされて
触れることも
できないまま
ホームの向こう
行き違う恋歌
交差する視線
ただそれだけ
雑踏が嵐のように
時を捲っていく
気付かぬふりで
目を伏せて
口走った後悔は
周回遅れ
“二人で どこかへ行こう
誰も 知らないところへ”
はにかむ笑顔を
間近で見たかった
わかってる
沈黙を置いた臆病さが
資格を失った理由だと
痛いほどの光が
君の横顔を照らしてる
血を流す僕を
どうか
赦してください
二度と
振り向いてとは
言わないから